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STORY
コーポレート・ディベロップメント
シニアマネージャー
GHIT Fundのエクスターナル・アフェアーズ&コーポレート・ディベロップメント部門の主な役割は、ガバナンス関連の会議を運営することと渉外活動です。ガバナンス会議体の運営では、定期的に開催される理事会と評議会というGHIT Fundの重要な意思決定を行う会議体の準備や運営を担当しています。理事会は、予算の承認や戦略の策定、また、組織運営に関わる主要な案件の審議や承認など幅広い責任を担っています。企業で言う取締役会にあたるものです。株主総会に該当する評議会は、GHIT Fundの主要な資金拠出パートナーの代表者が評議委員として参加し、理事の選任や組織の根幹となる事項に関して承認・決定を行う上位機関です。これらの会議体の運営においては、議題設計や討議内容の準備、プログラム策定や国内外の理事および評議委員の参加を総合的に支援するなど多岐にわたる業務を一貫して実施しています。
渉外業務では、日本政府、国際機関、国内外の民間企業や財団などの多様な関係機関と連携し、資金拠出を含むパートナーシップに向けた折衝などの渉外活動を行っています。ご支援いただいた資金の活用状況やGHIT Fundの活動の成果を定期的にご報告するだけでなく、各企業さまのご期待やご要望に耳を傾け、広報部門と連携して対談企画を行ったり、活動報告会の開催など、パートナーの皆さまとの交流や情報提供の場を積極的に設けています。この2つの大きな役割を担って、日々業務に邁進しています。
前職はオリンパスという医療機器の会社で国内営業と海外マーケティングを担当していました。日本の優れた技術や製品を海外市場に届けたい。そして、自らもグローバルに活躍する人材になりたいという想いで入社をしました。GHIT Fundでも日本のイノベーションとグローバルなパートナーシップを通じて、世界の人々が苦しむ感染症と闘うという点で、前職と根底にある志は共通しています。日本の強みを世界に活かせる舞台に身を投じ、社会に貢献したいという想いは一貫して強く持っています。

TICAD 9会場にてEnd Fundの方々とブースウォーク
前職の先輩から学んだ「相手の立場で考える」姿勢は、現在のGHIT Fundの業務でも深く活きています。
GHIT Fundの資金拠出パートナーには、様々な企業・団体が参加してくださっていますが、それぞれがGHIT Fundの活動に期待される価値や、グローバルヘルスへの関り方も異なります。
だからこそ、ご担当者さまや経営層の皆さまの声に真摯に耳を傾け、GHIT Fundへのご参画に確かな意義を感じ、共に事業を育てていると実感していただけるよう、そのためには何をすべきか、チームでよく議論し、問い続けることを心がけています。
2025年3月にGHIT Fundが長年支援してきた、住血吸虫症の小児用治療薬がアフリカの就学前児童へ届けられたことを資金拠出パートナーの皆さまに報告できたことは大きな喜びでした。ある企業の方から「自社は製品開発に直接関わっていないが、これはGHIT Fundに参加するすべてのパートナーが生み出した成果ですね」とお言葉をいただき、深く胸に残っています。今後も様々な製品の研究開発とアクセスを着実に進めながら、ご支援くださる皆さまに一つでも多くの成果を届けられるよう、組織一丸となって取り組んでいきたいと考えています。

2023年6月にロンドンで開催された理事会で
国会議員や企業の経営トップの方々と直接お話しできることは、日々の仕事に大きな刺激と意欲をもたらしています。國井CEOに同行する形で、これまでに50社以上の社長・会長クラスの経営層の皆さまや、約50名の国会議員の方々とお会いする機会に恵まれました。こうしたハイレベルな対話は、GHIT Fundのガバナンスや方針に影響し得る非常に重要な場であり、説明資料の準備やCEOの発言内容の整理、担当者さまへの事前情報の提供などを任されることも少なくありません。責任の大きな仕事ですが、こうした方々からの期待や激励の言葉に触れ、それを組織の改善やパートナーシップの強化に反映していけることに、GHIT Fundの渉外担当としてのやりがいを強く感じています。
特に、戦略の骨子となる第3次5カ年計画「GHIT 3.0」への移行に際しては、グローバルヘルス分野の課題解決に向け、超党派の議員の先生方や関連団体と連携し、日本政府への働きかけに注力しました。その結果、G7広島サミットの際に日本政府による2億米ドルのプレッジを確保できたことは、大きな達成感と誇りにつながっています。

長年GHIT Fundの理事を務められたコー・ヤン・タン氏、CEO國井と
GHIT Fundでの4年半を通じて、経営的な視点を持つことの重要性を強く実感しています。小さな組織だからこそ、自らの担当領域だけでなく組織全体の方向性や課題を把握した上で戦略的な視点を持ち、社内外の動向に常にアンテナを高く張り、必要な情報を積極的に収集し発信していく必要があります。また、ステークホルダーの皆さまから頂く貴重なご意見や最新情報を、経営層が戦略を構築する際のインプットとして、自分なりの考えや方向性を持って整理して提供するスキルも重要です。CEOと共に仕事をする機会も多く、年齢や職位に関わらず現場の最前線に立って責任ある業務を任せてもらえる環境で、成長や学びの機会に恵まれていることに感謝しています。

CEO國井と欧州の製薬企業を訪問
国際会議への出席や、海外への現地視察は、グローバルヘルスの最前線の情報を即座に把握する上で欠かせません。直近では世界保健総会に合わせてジュネーブ・パリに出張し、國井CEOが登壇するイベントの支援や関連団体との面会に参加しました。また、タイのマラリア流行地域でマヒドン大学が研究を行う施設や現地住民のコミュニティを訪問し、関係者の方々と直接対話することで、その熱意や課題意識を肌で感じ取ることができました。現場で自らの目で見て吸収した内容を一点の曇りなく、自らが語り部となってステークホルダーの皆さまにわかりやすくお伝えできることは、GHIT Fundの活動へのご理解を深めていただく上でも極めて大切だと感じています。
また、GHIT Fundが投資(助成)をしている製品開発パートナーとお会いする機会もあります。パートナーの方々からは、投資(助成)に対する感謝の言葉だけでなく、GHIT Fundの担当者(社員)がいつも気にかけプロジェクトに伴走し寄り添ってくれること、必要に応じてほかの製品開発パートナーと繋いだり、研究の開発過程で課題解決に向けて一緒に解決策を見つけるという姿勢に対してとても高い評価をいただきます。これらの評価は、ほかのチームメンバーの努力の賜物であり、世界各地のパートナーから仲間の活躍を伺えることは、とても嬉しく、仲間を誇らしく思います。

タイ王立マヒドン大学熱帯医学部のマラリアフィールド研究を視察
学生時代にアフリカを訪れ自分自身がマラリアに罹った経験も、現在のグローバルヘルスへの強い関心と使命感に繋がっています。私はアフリカから帰国して2か月後に日本で発症しました。マラリアと診断されて適切な薬を服用したところ、すぐに症状が改善しました。この経験から、マラリアは薬があれば治る病気だということを実感しましたが、実際には薬があっても手に届かない地域が多いという現実があります。マラリアの根絶には、医薬品へのアクセスの問題、予防のためのワクチンや早期診断・治療の体制など、包括的な仕組みの整備が必要であると実感しています。治せる病気も、世界にはその環境が整っていないゆえに命を脅かされる人がいる、という現実に直面したことが、適切な医療を誰もが受けられる社会の実現に貢献したいという使命感の原点となっています。

学生時代のアフリカ旅行中、タンザニアで体調を崩した際に診てくださった先生方
グローバルヘルスの業界で活躍されている方は、医師や研究職に限らず、さまざまなバックグラウンドを持った人が活躍できる場が広がっています。例えばCEOの國井のように医師として現場経験を持つ方が多い印象かもしれませんが、民間企業で培ったスピード感や、多様なステークホルダーを調整して物事を進めていく推進力、課題解決のために必要なリソースや情報を収集する力も大変貴重な資質です。営業、マーケティング、経理、企画などどんな仕事でもグローバルヘルスに貢献できる可能性が広がっています。グローバルヘルス分野で新たにチャレンジしたいと考えている方には、ぜひ一歩を踏み出していただきたいなと強く願っています。
※このインタビューは2025年10月に実施されました。
シニアマネージャー
GHIT Fundの渉外部門として、日本政府や民間企業、慈善財団などの資金拠出パートナーへの活動報告や連携強化、および理事会・評議会などの組織の重要な意思決定を行う会議体の運営を担当している。前職ではオリンパス株式会社で5年間、外科内視鏡製品の国内営業と海外マーケティング職を経験。2021年より現職。上智大学法学部卒業。SBI大学院大学でMBAを取得。
(所属・役職はインタビュー当時のものです)