Overview

代表挨拶

国連が策定した「ミレニアム開発目標(MDGs)」は、目標達成に向けた世界規模での取り組みや、新薬開発への投資を促し、母親と子供の死亡率を大幅に削減するとともに、熱帯病などの感染症対策を劇的に強化することができました。しかし、MDG時代に成し遂げた成果をさらに推進し、さらに高い目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」を達成するためには、私たちは有望な技術を革新し続け、新たなイノベーションを世界中に届けていかなければなりません。グローバルヘルスの製品開発(R&D)のパイプラインは、世界を変えることができる大きな可能性を秘めています。

すなわち、今日の技術は、「SDG目標3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」の到達目標に掲げられているUHCを達成するには不十分です。新薬開発を実現し、低中所得国における医薬品アクセスを改善し、ひいては国の経済発展を後押しする必要があります。その基盤となる将来予測、計画、連携、投資の質をより向上させて行かなければならないのです。これはまさにGHIT Fundのビジョンそのものです。我々は、R&Dこそグローバルヘルスにおける成功事例の中核を担っており、21世紀における人間の安全保障への脅威に対抗するためには、R&Dは公衆衛生および経済の両面において重要な武器となることを確信しています。

国内外の機関とともに、GHIT Fundが築き上げた強固なポートフォリオが、世界の製品開発パイプラインの拡充に貢献していることを私たちは誇りに思います。そして、日本の科学および創薬技術がグローバルヘルスR&Dをさらに変革していくことを期待しています。

GHIT Fundの第二期となる次の5年間(2018年度〜2022年度)の資金調達ができたことで、製品開発を実現するという当初の約束を果たすための、私たちの規模と能力はこれまで以上に拡大しています。GHIT Fundを率いるリーダーとして、新たなスタートを切れることを嬉しく思います。

今後、GHIT Fundは、ポートフォリオの臨床後期案件に対して積極的に投資を行い、2022年度末までに規制当局から2つの製品の薬事承認を得ることを目指しています。私たちは、医薬品へのアクセスを伴わないイノベーションは不十分であると考えています。真の成功とは、効果的で入手しやすい価格の医薬品を、必要とするすべての人々に届けることです。

私たちは、製品開発パートナーが策定する、低中所得国における需要調査、薬事戦略、製造と流通、資金調達、アドボカシーなどの製品供給戦略を評価する体制を今後強化していきます。そのために、国連開発計画やその他の国内外の機関とのパートナーシップを推進していきます。

グローバルヘルスにおける目標達成は容易ではありませんが、私たちは達成できると信じています。そして、常にその可能性を追求しています。私たちは、満ち溢れたエネルギー、楽観性、そして決意を胸に、GHIT Fundの第二期を始動します。

中谷 比呂樹会長

スリングスビーBTCEO