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代表挨拶

2017年、GHIT Fundは第二期(2018年度~2022年度)に向けての資金調達を成功させ、2018年4月から新たなスタートを切りました。本年も、皆様に対してGHIT Fundの進捗と成果をご報告できることを大変嬉しく思います。これまでに積み上げてきた成果は、グローバルヘルスの製品開発に取り組むパートナーの絶え間ない努力とコミットメントによって成し遂げられたものです。GHIT Fundのポートフォリオの中から、革新的な医薬品が誕生し、それらを最も必要とする人々の手に届く日が確実に近づいてきています。

GHIT Fundは、日本機関と海外機関のパートナーシップの促進を通じて、顧みられない患者のための製品開発を推進してきました。2018年3月末までに、合計80件の製品開発案件に対して170億円の投資を行ってきました。そのうち、22件の探索研究と14件の非臨床試験、そして、アフリカ・南米での8件の臨床試験が行われています。最も進んでいる臨床案件としては、HIV患者の尿を用いた結核の迅速診断キットSILVAMPTM TB-LAM、住血吸虫症の小児用治療薬プラジカンテル、マイセトーマ治療薬ホスラブコナゾールなどがあります。私たちは、製品開発パートナーや共同投資を行うファンダーとともに、使命感、情熱、そして切迫感を常に共有し、共に歩んできました。2022年度末までに、ポートフォリオの中から2つの製品の薬事承認の取得を目指しています。

新薬が開発され、薬事承認を取得したとしても、患者に届かなければ意味がありません。そのため、GHIT Fundは、研究開発のあらゆる段階において、アクセス&デリバリー(製品供給)を考慮に入れた上で製品開発を推進しています。2019年1月、国連開発計画が主導する「新規医療技術のアクセスと提供に関するパートナーシップ(Access and Delivery Partnership)」および日本政府とともに、グローバルヘルスの製品開発と供給に携わるステークホルダー間の連携を促進するプラットフォーム「Uniting Efforts for Innovation, Access and Delivery」を立ち上げました。今後、このプラットフォームを活用して、国内外のステークホルダーとともに製品供給戦略に関する議論をさらに深めていきます。

2019年には、日本が初議長を務めるG20大阪サミットや、史上初となるG20財務大臣・保健大臣合同セッション、東京アフリカ開発会議TICAD VIIなど、重要な国際会議が日本で開催されます。これらは、日本とGHIT Fundのグローバルヘルスにおけるリーダーシップを示し、製品開発や供給に関するパートナーシップを拡大・強化する上で極めて重要な機会となります。さらに、2019年9月には国連ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)ハイレベルパネル会合が開催されますが、世界各国でUHCを推進するためには日本のリーダーシップが求められています。

最後に、GHIT Fundの評議会、理事会、選考委員会、アドバイザー、資金拠出パートナー、製品開発パートナー、アクセスパートナーなど、私たちに日々、知見や情熱、そしてコミットメントを提供してくださる皆さまに心より感謝を申し上げます。皆さまからのご支援とご協力を得て、私たちはさらなる高みを目指し、より質の高い仕事を行い、ビジョンの実現に向けて邁進します。

中谷 比呂樹会長

大浦 佳世理CEO