Overview

創設の4原則

GHIT Fundのビジネスモデル、および戦略は、以下の4原則が基盤になっています。

オープン・イノベーション

従来、治療薬、ワクチン、診断薬の研究開発は、製薬企業やライフサイエンス関連企業などが単独で進めてきました。しかし近年は、複数の機関が連携し、協力関係を築きながら新薬開発を推進する「オープンイノベーション」が拡大しています。

GHIT Fundは、世界的なネットワークを活用することによって、日本と海外の国際的な製品開発パートナーシップを促進しています。パートナーシップを通じて、各機関の強みや独自の貢献がさらに強力なものになります。その結果として、より速く、より効果的な新薬開発を行うことができます。

アクセス

今日、世界の10億人以上の人々が絶対的な貧困状態におかれており、1日2米ドル以下で生活しています。そのため、必要最低限の医療にさえアクセスすることができない状態にあります。GHIT Fundはこうした状況を鑑み、アクセスポリシーを策定しました。GHIT Fundが投資を行い、開発される治療薬、ワクチン、診断薬の価格は、「無利益・無損失(No Gain, No Loss)」の原則に基づき決定することがアクセスポリシーの中に明記されています。

また、製品開発のプロポーザルの選定および評価に関しては、最終的に医薬品を使用する低中所得国の患者のニーズに応えるために、専門家によって明確に定義された製品の仕様や価格等、「ターゲット・プロダクト・プロファイル(TPP)」に沿っていることが求められます。

GHIT Fundは、国際機関との連携も進めています。具体的には、国連開発計画の「新規医療技術のアクセスと提供に関するパートナーシップ(ADP)」と連携し、低中所得国の保健システムの課題解決を通じて、GHIT Fundが投資する製品をより多くの人々に、より早く届けることを目指しています。GHIT Fundは今後、製品開発、製品供給、保健システム強化のさらなる連携を見据え、国内外の機関との連携を一層推進していきます。

公 正

公正は私たちのミッションの中核をなす原則です。私たちがグローバルヘルスの製品開発に投資を行うその根底には、すべてのコミュニティおよび個人が、豊かな生活を営むために、購入しやすい価格で必要な製品に、公平にアクセスできるようにする、という信念があります。

透明性

透明性は、投資のインパクトを評価する上で根本的な原則です。プロポーザルやインパクトをどのように評価するかを明確にすることで、GHIT Fundの投資に対する信頼性を高め、かつ、製品開発パートナーとの協力関係をより一層強化することができると私たちは考えています。

私たちは、プロポーザルの選考過程や評価指標をウェブサイトに公開し、投資が決定した後には、製品開発パートナーやプロジェクトに関する情報も公表しています。

さらに、製品開発パートナーに対しては、得られた全てのデータや結果等を幅広くかつ速やかに公開することを求めています。アクセスリポジトリやそれに類するプラットフォームの活用を通じて、得られた新たな発見や知見を世界の研究開発コミュニティに対して共有し、世界規模で製品開発を推進していきます。