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February 9, 2022

【第5回目】 連続ウェビナー:GHIT Fund - Product Development Partnerships (PDPs)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染症の脅威に対するイノベーションの重要性とその価値の重みを改めて世界に突きつけました。前例のないパンデミックにも関わらず、COVID-19に対する製品開発は驚異的なスピードで進みました。これは、ステークホルダーが危機感を共有し、十分な資源を迅速に投じることができれば、感染症のためのイノベーションを加速し、スケールアップが可能であることを示しました。GHIT Fundは、顧みられない病気の製品開発において、同様の可能性を最大限に引き出すことに注力しています。

 

過去20年間、顧みられない病気のための医療技術(医薬品、ワクチン、診断、ベクターコントロール、デバイス)を開発してきた、国際的な非営利組織のProduct Development Partnerships(PDPs)は、グローバルヘルス領域で極めて重要な役割を果たしてきました。 PDPsは、これまで低中所得国(LMIC)において、85の革新的な救命製品の薬事承認並びに市場に出すことに成功しています。 GHIT Fundは、これらの事業体の独自の能力と強みを認識し、2013年以来、未開発の化学・天然化合物、それぞれの団体が有する技術を利用し、マラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)向けの革新的な製品の作成に専念し、PDPsと日本の事業体間のパートナーシップに投資を行ってきました。この取り組みによって、GHIT Fundのポートフォリオに複数の有望な候補者が含まれ、複数の案件については、今後数年以内にパイプラインから出現する予定です。

 

COVID-19パンデミック下、パンデミック後の顧みられない病気との闘いにおけるR&Dコミュニティーの役割、課題、機会について製品開発に携わる国内外の機関がオープンに議論する機会を作ることを目的として、このたびGHIT Fund-PDPs Webinar Seriesを開催することと致しました。本ウェビナーでは、PDPsと日本のパートナーを招き、PDPsの役割、顧みられない病気に対する革新的なR&Dパートナーシップ、および専門知識、ポートフォリオ、パートナーネットワークを活用した将来の世界的な健康脅威への対応について議論いたします。

 

使用言語:英語(日本語への同時通訳あり)

参加費:無料

後援:一般社団法人日本感染症学会、一般社団法人日本熱帯医学会、一般社団法人日本臨床検査薬協会、日本顧みられない熱帯病アライアンス(事務局:長崎大学熱帯医学研究所)、日本寄生虫学会、日本製薬工業協会、日本ワクチン学会

 

第5回 「EVI/MVI: Developing Effective and Affordable Vaccines through Partnerships」

日時:2022年3月24日(木) 20:00 – 21:30(日本時間)

参加登録:https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_qaZ8WDJrRVemfwZ96iZhOg

 

プログラム

20:00 - 20:05 pm: オープニング&イントロダクション      

20:05 - 20:20 pm: 欧州ワクチン・イニシアティブ ソフィー・フアード氏による発表

20:20 - 20:30 pm: ノーベルファーマ株式会社 越阪部 正徳氏による発表

20:30 - 20:45 pm: PATHマラリアワクチンイニシアティブ イーミン・ウゥー氏による発表

20:45 - 20:55 pm: 東京医科歯科大学 石野 智子氏による発表

20:55 - 21:20 pm: パネルディスカッション

21:20 - 21:30 pm: 質疑応答

21:30 pm: ウェビナー終了

 

スピーカー

・ソフィー・フアード氏 欧州ワクチン・イニシアティブ 臨床開発担当ディレクター 

ソフィー・フアード氏は、欧州ワクチン・イニシアティブ(European Vaccine Initiative - EVI)にて臨床開発ディレクターを務め、35年間にわたり医薬品およびワクチン開発の経験を持つ。前職では、Henogen(ベルギー)にてチーフ・サイエンティック・オフィサー及びProprietary Products Platformの責任者として、第III相試験まで世界規模の臨床試験に携わる。2010年以来、非営利団体の枠組みで貧困関連疾患に対するワクチンの開発に注力することを目標としているEVIにて、アカデミア、官民セクターや慈善団体等と協力し、マラリア、リーシュマニア症、細菌性赤痢等のワクチン開発(製造から第II相試験までの臨床試験)を支援している。分子生物学者として訓練を受け、ブリュッセル自由大学にて医学博士と科学博士を取得。

 

・越阪部 正徳氏 ノーベルファーマ株式会社 執行役員、研究開発本部副本部長 兼 海外開発部長

2014年ノーベルファーマに研究開発本部技術顧問として入社するまでは三菱化学(現・田辺三菱製薬)に1984年入社し、最初の6年間は薬理研究者、その後の10年間は国内臨床開発を担当。1999年-2010年の約10年間は国際開発を担当。その間、抗血栓分野で会社初となる欧州承認取得。また2年間は米国子会社社長として欧米P3プログラム等を担当。帰国後は開発企画部、臨床開発センター(日本、アジア)、データサイエンスセンター(統計解析、データマネジメント、臨床薬理)の責任者として開発を推進。2014年ノーベルファーマ入社後は海外開発責任者としてマラリアワクチン含む複数のプロジェクトを担当。1982年東京大学薬学部卒、1984年同大学修士課程修了。

 

・イーミン・ウゥー氏 PATHマラリアワクチンイニシアティブ サイエンティフィック・アドバイザー

マラリア研究で30年、マラリアワクチン開発で20年の経験を持つイーミン・ウゥー氏は、PATHマラリアワクチンイニシアティブのサイエンティフィック・アドバイザーとして、マラリアワクチン開発に関する複数の研究やプロジェクトを、アカデミア、製薬企業、政府、非営利団体などと共に、リード及び促進している。前職では、2003年から2015年まで、米国国立アレルギー感染症研究所 (National Institute of Allergy and Infectious Diseases - NIAID)のマラリアワクチン開発部門・製品開発ユニットの責任者を務める。マラリアワクチン候補の開発の製造から、前臨床および臨床までのプロセスを管理し、INDおよびIMPDsの規制当局への申請に携わった。また、マラリアワクチン候補の免疫原性を改善するための製剤研究を主導し、マラリア流行地域でのワクチン有効性を評価するためのフィールドベースのアッセイの研究開発及び臨床検体のマルチサイト/マルチカントリーテストを主導した。NIAID前は、Malaria Research and Reference Reagent Resource Center (MR4)の初代所長を務める。上海中医薬大学にて学士号、南メソジスト大学にて博士号を取得。

 

・石野 智子氏 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 寄生虫学・熱帯医学分野教授

2021年より、東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 寄生虫学・熱帯医学分野の教授。2001年に東京大学において薬学博士を取得したのち、三重大学においてマラリア研究をスタートさせる。逆遺伝学をツールとし、マラリア原虫の蚊から哺乳類への感染に重要な原虫分泌型タンパク質を7つ同定した。フランスパスツール研究所にて、3年間、肝細胞感染機構について研究した後、愛媛大学プロテオサイエンスセンターに准教授として勤めた。蚊からヒトへのマラリア伝搬メカニズムの解明や、有性生殖メカニズムの解明を目標に研究を継続している。基礎研究の成果をもとに、GHIT Fundプロジェクトの支援を受け、伝搬阻止および感染阻止ワクチンの開発研究にも着手している。2011年から2年間、文科省の学術調査官を兼任した。

 

  

過去に開催したセミナーの動画はGHIT FundのYoutubeチャンネルからご覧頂けます。

 

第1回 「Medicines for Malaria Venture (MMV): Developing Life-Saving Antimalarials Through Global Partnerships」

 

第2回 「Drugs for Neglected Diseases initiative (DNDi): Innovative partnerships for the most neglected」

 

第3回 「TB Alliance: Putting partnerships to work for better, faster TB cures」

 

第4回 「FIND, the global alliance for diagnostics: Innovative Diagnosis and Partnerships For All」