プレスリリース

March 13, 2023

グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund) 塩野義製薬、武田薬品などのマラリアの新薬開発に 約2.6億円の投資を決定

公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)は新たなマラリアの治療薬の研究開発に約2.6億円の投資を決定したことを発表いたします。 この投資は研究開発の初期段階において複数の候補化合物群を同定するプロジェクトになります。

 

マラリアは、世界で年間約2億5,000万人が罹患し、2021年には約62万人が死亡している感染症です。新型コロナウイルス感染症の混乱の影響によりマラリアの感染者数は増加しています。WHO(世界保健機構)は2030年までに全世界のマラリアの患者数と死亡者数を2015年の水準比で少なくとも90%減少させることを掲げています。2

 

このたびGHIT Fundは、塩野義製薬株式会社(以下、塩野義製薬)、国立大学法人長崎大学(以下、長崎大学)ならびにMedicines for Malaria Venture(以下、MMV)の新規マラリア治療薬の創出プロジェクトに約1.3億、武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品)とMMVの新規マラリア治療薬の合成研究に約1.3億の投資を行います。

 

GHIT Fund CEOの國井修は、「GHIT Fundはマラリアの制圧・撲滅に向けた取り組みに貢献するため、新たな治療薬・ワクチン・診断薬の研究開発を支援しています。日本の製薬企業および研究機関が海外パートナーとともに、新たな治療薬の創出を進めることを期待しています。特に2019年2月に締結された塩野義製薬と長崎大学の『マラリアを中心とした感染症分野における包括的連携」に基づくパートナーシップは、マラリアの新たな治療法確立に向けた産学連携の独自性が高く、GHIT Fundとしても大きな期待を寄せています。」と述べています。

なお、 同時期に第一三共RDノバーレ株式会社とThe Global Alliance for TB Drug Development (TB Alliance)の結核のスクリーニングプログラムにも約1,500万円の投資を実施しました。

 

2023年3月13日時点で、51件のプロジェクトが進行しており、内訳として、25件の標的・探索研究、14件の非臨床試験、12件の臨床試験✳︎3となります。(別紙2)GHIT Fundのこれまでの累積投資金額は約287億円となります。

 

 

注記

✳1 これらの案件は、2022年7月〜2023年1月にかけて実施した公募RFP2022-002(スクリーニングプログラム、ヒット・トゥ・リードプログラム)の中から選定され、承認されたものです。

✳2 WHO(世界保健機構)https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/malaria 参照

✳3 診断薬開発において、途上国における 患者サンプルを使用した臨床的妥当性の評価を行う段階に入った案件については、表現の便宜上、臨床試験として扱う。