プレスリリース

December 5, 2022

グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund) ウェルカムより5年間で約27.7億円の支援を確保

公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)はこのたび、英国の財団・ウェルカムよりGHIT Fundの第3次5ヵ年計画GHIT3.0(2023年度〜2027年度*1)に対して、5年で2,000万ドル(約27.7億円*2)の支援を確保したことをお知らせします。

 

GHIT Fundは、2013年の発足以来、世界の貧困層の健康を脅かすマラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)などの感染症に対し、日本の技術とイノベーションでグローバルヘルスに貢献するため新薬の開発への投資ならびにポートフォリオマネジメントに取り組んできました。創設10周年を迎え、2023年から始動するGHIT3.0では、マラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)などの研究開発の効率化、加速化を目指します。

 

GHIT FundのCEOである國井修は、「このたびのウェルカムからの支援表明に心から感謝するとともに、次の5年に向けてGHIT Fundはこれまで以上に日本と海外のパートナーシップを強化し、画期的な治療薬、ワクチンや診断薬など日本発のイノベーションに貢献できると確信しています。」と述べています。

 

ウェルカムの感染症部門のディレクターであるDr.ゴードン・ドゥーガンは、「感染症は、世界が直面する最大の健康への脅威のひとつであり、低中所得国の人々は、結核、マラリア、顧みられない熱帯病(NTDs)などの病気によって苦しんでいます。GHIT Fundは、製品の研究開発に投資し、日本の科学的な専門知識と製品開発能力を活用することで、この持続的な問題に取り組んでいます。優れた製薬産業を有する日本は、GHIT Fundへの大きな支援や来年のG7の議長国としての国際的なリーダーシップを通じて、グローバルヘルスにおいて重要な役割を担っています。ウェルカムは、世界中の人々の命を救うワクチン、治療法、診断薬の開発に貢献するGHIT Fundを支援できることを誇りに思います」と述べています。

 

GHIT Fundはこれまでに、累積114件、約284億円の投資を実施してきました。現在も28件の標的・探索研究、20件の非臨床試験、13件の臨床試験*3の計61件のプロジェクトが進行しており、内1件は薬事申請が進んでいます。GHIT Fund の強みであるパートナーシップにより、これまで168のパートナー(国内58、海外108団体)が製品開発に参加し、約10年の間に日本機関ならびに連携する海外機関の数が飛躍的に増加しています。(2022年12月5日時点)

 

 

注記

  • * 1 2023年4月〜2027年3月
  • * 2 2022 年 11 月 30 日の概算為替レート 1 米ドル=138.87 円で算出
  • * 3 診断薬開発において、途上国における 患者サンプルを使用した臨床的妥当性の評価を行う段階に入った案件については、表現の便宜上、臨床試験として扱う。