プレスリリース

November 11, 2022

グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund) 顧みられない熱帯病の製品開発に約7.9億円の投資を決定

公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)はこのたび、顧みられない熱帯病(NTDs)であるリンパ系フィラリア症およびオンコセルカ症の製品開発に対して、約7.9億円の投資を行うことを決定しました。

 

GHIT FundのCEOである國井修は、「コロナ禍の中でも、GHIT Fundは国内外の製品開発パートナー、資金拠出パートナーとの連携をさらに強め、顧みられない病気に苦しむ患者のために日本の技術とイノベーションでグローバルヘルスに貢献していきます。」と述べています。

 

寄生虫感染による顧みられない熱帯病:リンパ系フィラリア症およびオンコセルカ症の新薬開発

リンパ系フィラリア症(象皮症)とオンコセルカ症(河川盲目症)は寄生虫感染による顧みられない熱帯病であり、世界の 8,600 万人以上に影響を与えています。既存薬は主に幼虫のみに作用し、長寿命の寄生虫の伝染サイクルを遮断するには持続的かつ長期的な薬剤供給が必要です。

すでに2013年よりスタートしたGHIT Fundによる投資プロジェクトを通じて、寄生虫内のボルバキア共生細菌の排除により成虫を殺虫できることが実証されています。今回は、オンコセルカ症に苦しむ患者における有効性を評価する第Ⅱ相臨床試験により、新薬開発を継続することへ約7.9億円を投資します。

 

2022年11月11日現在、61件のプロジェクトが進行しており、内訳として、28件の標的・探索研究、20件の非臨床試験、13件の臨床試験**となります。(別紙2)GHIT Fundのこれまでの累積投資金額は約284億円となります。

 

注記

* これらの案件は、2021年11月〜2022年7月にかけて実施した公募RFP2022-001(標的研究プログラム、スクリーニングプログラム、ヒット・トゥ・リードプログラム、製品開発プログラム)の中から選定され、2022年7月に開催された理事会にて承認されたものです。
**診断薬開発において、途上国における 患者サンプルを使用した臨床的妥当性の評価を行う段階に入った案件については、表現の便宜上、臨床試験として扱う。