プレスリリース

May 18, 2022

感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)との連携強化に関する覚書を締結

日本・東京/ノルウェー・オスロ 2022 年 5 月 18 日

 

公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)と感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)は本日、感染症の医薬品開発を進めるにあたり、両機関の連携強化を目的とした覚書(MoU)を締結したことを発表いたします。

 

GHIT FundとCEPIは、公平なアクセスに重点を置いた感染症の医薬品開発に資金を提供するといった共通した役割を担っています。両機関による新たなパートナーシップを通じて、ワクチン開発等の分野において、各々の比較優位性や専門性を活用することで両機関のミッションを推進するとともに、日本におけるワクチンや治療薬の開発能力を強化し、感染症の脅威に対するグローバルな取り組みに対する日本企業、大学、研究機関などの参画をさらに促進していきます。

 

今後、両機関は、有望なワクチン開発プラットフォームや技術を協力して特定することで各々の投資ポートフォリオを強化することや、両機関がともに関心を有する優先度の高い病原体やウイルスに対するワクチン開発に関する共同投資等で協力するなど、より具体的な連携の機会を探っていく予定です。

 

CEPI CEOのリチャード・ハチェット氏は、「COVID-19ワクチンの開発スピードは、科学的な連携協力によって何が達成可能であるかを示しました。このような協力体制は、将来のパンデミックの脅威に備える上で中心的な役割を担います。今回のパートナーシップにより、感染症対策という共通の目標に向け、経験と専門知識を共有することで、CEPIとGHIT Fund双方に利点があるでしょう。日本はグローバルヘルスにおけるリーダーであり、GHIT Fundは日本のパートナーとの連携に強みがあります。CEPIとGHIT Fundとの連携を通じて、世界トップクラスの日本の研究機関やライフサイエンス産業が地球規模の感染症対策にさらに貢献することを支援できることを嬉しく思います。」と述べています。

 

GHIT Fund CEOの國井修は、「CEPI との新たなパートナーシップを大変嬉しく思います。パートナーシップは、顧みられない患者を救うための新しい有効な手段を一刻も早く開発するために必要不可欠なものです。ワクチンの研究開発におけるCEPIの力強いリーダーシップと影響力を得て、GHIT Fundは日本と世界を繋いだイノベーションをさらに活性化することができるでしょう。今回の提携を通じ、私たちは顧みられない病気に対する研究開発を今後も継続して推し進めて参ります。」と述べています。​​

 

 

【感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)について】 

CEPIは、将来起こり得る感染症に対するワクチンを開発するため、2017年のダボス会議で発足した、公的機関、民間企業、慈善団体、市民団体などが連携する革新的なパートナーシップです。新型コロナウイルス感染症発生以前のCEPIは、エボラ出血熱、ラッサウイルス、中東呼吸器症候群(MERS)、ニパウイルス、リフトバレー熱ウイルス、チクングニアウイルスに対するワクチン開発に注力していました。これらの病原体に対するワクチン候補を20種類以上開発してきました。CEPIは、未知の病原体(Disease X)に対するワクチンを急速に開発するための新しいプラットフォーム技術にも投資しています。現在のパンデミックにおいては、CEPIはSARS-CoV-2ウイルスとその変異種に対するワクチン開発のため、スピード、規模、アクセスに焦点をあてた複数のプログラムをローンチしています。これらのプログラムは、新型コロナウイルス感染症が現れる前にCEPIのパートナーによって開発されたスピード対応プラットフォームや新しいコラボレーションを活用しています。目標とするのは、安全で効果的な新型コロナウイルス感染症ワクチン候補の多様なポートフォリオの臨床開発を促進し、COVAXを通じてこれらのワクチンを世界に公平に分配できるようにすることです。CEPIの5か年計画は、35億ドルのロードマップとして、ワクチン開発期間を100日に短縮し、新型コロナウイルス感染症と他のベータコロナウイルス属感染症に広範に対応できるワクチンを開発し、既知と未知の病原体に対応するワクチン候補の「ライブラリー」を作るというものです。計画はこちらからご覧ください。https://cepi.net/