プレスリリース
グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund) マラリア、結核、シャーガス病、内蔵リーシュマニアの新薬開発に約23億円の投資を決定
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)はこのたび、マラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)であるシャーガス病、内蔵リーシュマニアに対する新薬開発10件に対して、総額約23億円の投資を行うことを決定しました*。今回発表した案件のうち、新規案件が4件、継続案件が6件です。(別紙1、2)
GHIT FundのCEO兼専務理事である大浦佳世理はこのたびの投資案件発表に関して次のように述べています。「今回、継続投資が決定した、マラリア原虫のヒトから蚊への感染を阻止する新たな伝搬阻止ワクチン候補「AnAPN1」は、現在、アフリカ・ガボンでのヒトにおける第I相試験に向けて準備しており、次世代のマラリアワクチンとして期待しています。さらに、マラリア、結核、NTDsに特化した製品開発を推進する非営利組織、Medicines for Malaria venture(ジュネーブ)、TB Alliance(ニューヨーク)、Drugs for Neglected Diseases Initiative(ジュネーブ)と日本の製薬企業・大学が連携して行ってきた探索研究(ヒット化合物・リード化合物探索)の中から、次の段階に進む案件が複数出てきたことは大変嬉しく思います。さらに、診断薬ポートフォリオをさらに強化するために、HIVへの感染有無を問わない、感度・特異度をさらに向上を目指す結核迅速診断キット開発にも投資を行います。」
「今回の投資を含めて、2020年度は総額約41.6億円の投資を決定することができました。2020年度前半はCOVID-19の影響を受けて、顧みられない病気のための製品開発の進捗にも影響が生じましたが、製品開発パートナーの不断の努力とコミットメント、ならびに資金拠出パートナーから継続的な支援により得られた成果だと考えています。今後もステークホルダーと緊密な連携を取りながら、世界の顧みられない患者のために製品開発を推進していく所存です。」
2021年3月31日現在、57件のプロジェクトが進行しており、内訳として、30件の標的・探索研究、20件の非臨床試験、7件の臨床試験**となります。(別紙3)GHIT Fundのこれまでの累積投資金額は約251億円となります。
注記
* これらの案件は、2020年6月〜2021年1月にかけて実施した公募RFP2020-002(標的研究プログラム、スクリーニングプログラム、ヒット・トゥ・リードプログラム、製品開発プログラム)の中から選定され、2021年2月に開催された理事会にて承認されたものです。また、2020年6月の理事会で承認された公募RFP2020-002の案件も複数含んでいます。
* *診断薬開発において、途上国における 患者サンプルを使用した臨床的妥当性の評価を行う段階に入った案件については、表現の便宜上、臨床試験として扱う。