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January 12, 2022

【第4回目】 連続ウェビナー:GHIT Fund - Product Development Partnerships (PDPs)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染症の脅威に対するイノベーションの重要性とその価値の重みを改めて世界に突きつけました。前例のないパンデミックにも関わらず、COVID-19に対する製品開発は驚異的なスピードで進みました。これは、ステークホルダーが危機感を共有し、十分な資源を迅速に投じることができれば、感染症のためのイノベーションを加速し、スケールアップが可能であることを示しました。GHIT Fundは、顧みられない病気の製品開発において、同様の可能性を最大限に引き出すことに注力しています。

 

過去20年間、顧みられない病気のための医療技術(医薬品、ワクチン、診断、ベクターコントロール、デバイス)を開発してきた、国際的な非営利組織のProduct Development Partnerships(PDPs)は、グローバルヘルス領域で極めて重要な役割を果たしてきました。 PDPsは、これまで低中所得国(LMIC)において、85の革新的な救命製品の薬事承認並びに市場に出すことに成功しています。 GHIT Fundは、これらの事業体の独自の能力と強みを認識し、2013年以来、未開発の化学・天然化合物、それぞれの団体が有する技術を利用し、マラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)向けの革新的な製品の作成に専念し、PDPsと日本の事業体間のパートナーシップに投資を行ってきました。この取り組みによって、GHIT Fundのポートフォリオに複数の有望な候補者が含まれ、複数の案件については、今後数年以内にパイプラインから出現する予定です。

 

COVID-19パンデミック下、パンデミック後の顧みられない病気との闘いにおけるR&Dコミュニティーの役割、課題、機会について製品開発に携わる国内外の機関がオープンに議論する機会を作ることを目的として、このたびGHIT Fund-PDPs Webinar Seriesを開催することと致しました。本ウェビナーでは、PDPsと日本のパートナーを招き、PDPsの役割、顧みられない病気に対する革新的なR&Dパートナーシップ、および専門知識、ポートフォリオ、パートナーネットワークを活用した将来の世界的な健康脅威への対応について議論いたします。

 

使用言語:英語(日本語への同時通訳あり)

参加費:無料

後援:一般社団法人日本感染症学会、一般社団法人日本熱帯医学会、一般社団法人日本臨床検査薬協会、日本顧みられない熱帯病アライアンス(事務局:長崎大学熱帯医学研究所)、日本寄生虫学会、日本製薬工業協会、日本ワクチン学会

 

第4回 「FIND, the global alliance for diagnostics: Innovative Diagnosis and Partnerships For All」

日時:2022年2月2日(水) 17:00 – 18:30(日本時間)

参加登録:https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_8efm1uYvRaK0uvR5lvJqpg

 

プログラム

17:00 - 17:05 pm: オープニング&イントロダクション      

17:05 - 17:30 pm: FIND セルジオ・カルモナ氏、ウィロ・ブロック氏による発表

17:30 - 17:45 pm: 長崎大学 濱野 真二郎氏による発表

17:45 - 18:00 pm: 愛媛大学 坪井 敬文氏による発表

18:00 - 18:20 pm: パネルディスカッション

18:20 - 18:30 pm: 質疑応答

18:30 pm: ウェビナー終了

 

 

 

スピーカー

・セルジオ・カルモナ氏 FIND チーフメディカルオフィサー

2019年にFINDに入社し、結核、HCV、アクセスプログラムにてリーダーシップを発揮するとともに、COVID-19グローバル対応への組織の貢献において主要な役割を果たす。 2021年2月より現職。 前職では、南アフリカの国立保健検査サービス(National Health Laboratory Services: NHLS)にて10年以上勤務し、早期乳児診断、HIV薬剤耐性、および関連する同時感染の分子診断と治療モニタリングを専門した。WHO、米国疾病予防管理センター、アフリカ臨床検査医学会、南アフリカの保健省が主導する委員会とイニシアティブなどにも参画。ウィットウォーターズランド大学在学中、WHO 2015 HIV臨床ガイドライン開発グループへの参加や2017年南部アフリカのHIV臨床医協会のガイドライン含め、HIV診断のガイダンスと、進行したHIV疾患を呈する患者の管理に関する情報に基づくガイドラインに貢献。ウィットウォーターズランド大学にてMD(MBBCh)を取得。2009年に病理学の専門(FCPath)し、2018年に分子医学と血液学の博士号を取得。南アフリカ国籍(南米チリにルーツを持つ)。英語とスペイン語堪能。

 

・ウィロ・ブロック氏 FIND エクスターナルアフェアーズ ディレクター

2021年2月にFINDのディレクター、エクスターナルアフェアーズとして入社。主に、ステークホルダーマネジメント、コミュニケーション、アドボカシー、および資金調達を統括。グローバルヘルス並びに国際開発分野で約30年間の経験を持つ。現職就任以前は、TB Allianceのエクスターナルアフェアーズのシニアヴァイス プレジデントとして約7年勤め、その前は、WWFやHabitat forHumanity等の国際機関でも務める。営利組織、政府や市民社会などを巻き込んで、不平等をなくすなど、世界問題に取り組み、人々の発展に貢献することに情熱を持っている。 パキスタンのオランダの開発省(Ministry of Development)にてキャリアをはじめ、その後、MDF Training & Consultancyにて非営利の顧客に焦点を当てた10年以上の経営コンサルタント、トレーニング、コーチング、プロジェクト管理の経験を積み重ねた。90カ国以上で勤務経験あり。エラスムス・ロッテルダム大学にてビジネス・経済の修士号を取得。

 

・濱野 真二郎氏 長崎大学熱帯医学研究所寄生虫学分野 教授および副所長、日本寄生虫学会理事、日本熱帯医学会理事

長崎大学熱帯医学研究所寄生虫学分野 教授、副所長。日本寄生虫学会理事、日本熱帯医学会理事。1993年、熊本大学医学部を卒業後、九州大学大学院で博士(医学)を取得、バージニア州立大学でポスドクを経験。主な研究対象は熱帯感染症と感染防御機構。免疫学的研究に加え、顧みられない熱帯病、特に住血吸虫症とリーシュマニア症に関するフィールド調査を行う。2020年以来、GHITからの支援を受けて、FIND、ライデン大学医療センター(LUMC)、メルク(MGHI)等との「住血吸虫症迅速診断テスト」の共同研究・開発に参画(G2020-104)。またにリーシュマニア症(G2015-115およびG2018-102)およびシャーガス病(G2019-102)のための遺伝子編集弱毒生予防ワクチンの開発、およびリーシュマニア曝露と免疫応答検出のためのリーシュマニア皮内反応試験(G2019-213)の研究・開発に参画・貢献。

 

・坪井 敬文氏 愛媛大学プロテオサイエンスセンター 特命教授

坪井敬文博士は、愛媛大学プロテオサイエンスセンター特命教授である。愛媛大学医学部を卒業し臨床研修の後、同大学院にて寄生虫学の学位を取得し、広範な寄生虫に関する基礎研究を行った。その後、米国ノートルダム大学にてマラリア原虫の赤血球侵入分子機構、また米国NIHでマラリア伝搬阻止ワクチン研究を経験した。それ以来、同医学部にてマラリア原虫の細胞侵入分子機構及び伝搬阻止ワクチンの基礎研究を継続した。その後、プロテオサイエンスセンターにて、愛媛大学で開発されたコムギ無細胞タンパク質合成技術を駆使し、ゲノム網羅的に新規マラリアワクチンや診断候補抗原を探索している。近年では、ワクチンや診断法の研究開発にも注力し、GHIT Fundから助成を受けた三日熱マラリア肝内休眠型診断マーカーの探索をはじめ、現在、感染阻止、伝搬阻止、及び妊娠マラリアワクチンの4つのGHIT Fundプロジェクトを実施している。

 

  

過去に開催したセミナーの動画はGHIT FundのYoutubeチャンネルからご覧頂けます。

 

第1回 「Medicines for Malaria Venture (MMV): Developing Life-Saving Antimalarials Through Global Partnerships」

 

第2回 「Drugs for Neglected Diseases initiative (DNDi): Innovative partnerships for the most neglected」

 

第3回 「TB Alliance: Putting partnerships to work for better, faster TB cures」