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June 28, 2017

【イベント報告】記者発表会:第二期に向けたコミットメントの発表

2017年6月1日(木)GHIT Fundは、紀尾井カンファレンスにて記者発表会を行い、GHIT Fundの評議委員である日本政府(外務省、厚生労働省)、製薬企業(アステラス製薬株式会社、エーザイ株式会社、塩野義製薬株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、中外製薬株式会社)、財団(ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム・トラスト)とともに、第二期(2018年度〜2022年度)の事業に対して、資金拠出パートナーから200億円以上のコミットメントを確保したことを発表しました。

 

写真左から時計回りで、畑中好彦氏(アステラス製薬株式会社代表取締役社長CEO)、小坂達朗氏(中外製薬株式会社代表取締役社長最高執行責任者)、中山讓治氏(第一三共株式会社代表取締役会長兼CEO)、内藤晴夫氏(エーザイ株式会社代表執行役CEO)、手代木功氏(塩野義製薬株式会社代表取締役社長)、クリストフ・ウェバー氏(武田薬品工業株式会社代表取締役社長CEO)、スティーヴン・キャディック氏(ウェルカム・トラスト イノベーションディレクター)、日下英司氏(外務省地球規模課題総括課企画官、国際保健政策室長)、黒川清(GHIT Fund会長)、スリングスビー BT (GHIT Fund CEO)、山本尚子氏(厚生労働省大臣官房審議官)、アンドリン・オズワルド氏(ビル&メリンダ・ゲイツ財団ライフサイエンスパートナーシップディレクター)

 

GHIT Fund CEO スリングスビーBT

 

記者発表会の冒頭、GHIT Fund CEOのスリングスビーBTは、GHIT Fundの設立の背景を改めて振り返るとともに、設立からこれまでの活動内容や投資実績について発表しました。日本政府、日本の製薬企業、ゲイツ財団が協働し、感染症のための製品開発を推進するファンドを作るという構想がGHIT Fund誕生につながったことや、GHIT Fundが設立される以前はほとんど活用されていなかった日本の優れた創薬技術や知見等が、現在では数多く製品開発に活かされていることが紹介されました。

 

スリングスビーは、現在アフリカと南米で行われている6件の臨床試験についても言及し、これらの臨床試験を今後さらに推進し、確実に製品化に結びつけるために、2018年度以降の5年間の事業に対して、GHIT Fundの資金拠出パートナーから200億円以上のコミットメントを確保したことを発表しました。これは、GHIT Fund設立当初の金額と比較して約2倍の資金規模になります。スリングスビーは、「今後の第二期は、これまで順調に続けてきた製品化をさらに加速することに加えて、それらの製品をいかに患者さんのもとに届けていくのかが重要になります。そのためのデリバリー戦略をきちんと構築して、国内外の機関とともに協力しながら取り組んでいきます。」と述べ、第二期に向けての意気込みを語りました。

 

記者発表会の風景

 

続けて、GHIT Fundの評議委員を代表して、塩野義製薬株式会社代表取締役社長の手代木功氏が、「世界の健康のために、日本発のイノベーションを」と題した基調講演を行いました。手代木氏は、地球規模での新興・再興感染症の脅威、顧みられない熱帯病、医薬品および医療へのアクセスなど、昨今のグローバルヘルスにおける重要な課題について説明し、そうした課題に対して日本が国あるいは産業として取り組むべき意義を強調しました。第一に、日本は世界有数の創薬国であり、アンメットメディカルニーズに対して応えていく責任があること。第二に、国境を超える感染症に対して、日本の国民の健康を守るという視点、安全保障上の観点から取り組むべきであること。第三に、経済成長が見込まれる低中所得国の公衆衛生改善を支援することで、日本の製薬産業にとっても新たな市場形成を支援できることなどが述べられました。

 

塩野義製薬株式会社代表取締役社長 手代木功氏

 

また、手代木氏は、GHIT Fundが官民連携パートナーシップとしての成功事例であると、次のように表現しました。「正しくかつ妥当な目的にこれだけのステークホルダーが本気でコミットメントをしています。通常でも製薬企業のトップが顔を合わせることはなく、それだけみなさんの熱い想いがあります。一つの目標に対して、これだけの期間をコミットし続けている官民パートナーシップはなかなかありません。」と述べ、GHITとステークホルダーとの間に醸成されている連帯感や団結力についても言及しました。さらに、手代木氏は日本政府、企業、アカデミアなどのグローバルヘルスR&Dに取り組む姿勢の変化に期待を示し、「このモメンタムを継続させていくことが、日本のリーダーシップ、ひいては国際的なプレゼンスの向上につながっていくはずです。」と述べ、基調講演を締めくくりました。

 

ウェルカム・トラスト イノベーションディレクター スティーヴン・キャディック氏

 

記者との質疑応答では、欧米諸国での政権交代による公的機関の保健関連予算への影響やそれにともなって民間企業・財団に期待される役割りについての質問が投げかけられました。登壇者からは「こうした不安定な時代だからこそ、リーダーシップを発揮するチャンスである」「グローバルヘルスの分野は常に予算が十分にあるわけではなく、官民パートナーシップの強みを活かして、各パートナーが有する技術、知見、資金、資源を生かし、求められている製品を必要としている人に届けるために、一緒になって協力していくことが最も大切である。」などの意見が述べられました。

 

GHIT Fund会長の黒川清は、第二期におけるGHIT Fundへの更なる期待に応えていくためには、さらにガバナンスやマネジメント能力を強化・向上させることが重要であるとの考えを示し、記者発表会を締めくくりました。

 

GHIT Fund会長 黒川清