プレスリリース

June 3, 2015

ウェルカム・トラスト、シスメックス、 ANA、モリソン・フォースター、Yahoo! JAPAN: 計5機関がGHIT Fundに新規パートナーとして参画

[東京 201563日]グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)は本日、当基金への新規参画団体としてイギリス最大の規模を誇る財団と、新規グローバル参画企業として4社とのパートナーシップを締結したことを発表いたします。これら5機関とのパートナーシップ拡大により、GHIT Fundは開発途上国で蔓延する感染症の撲滅を目指し、医薬品の製品開発を促進していきます。

 

この度の新規企業の参画により、GHIT Fundは6社の製薬企業、日本政府、ビル &メリンダ・ゲイツ財団(以下、ビルゲイツ財団)に加えて、ウェルカムトラスト財団(以下、ウェルカムトラスト)とシスメックス株式会社(以下、シスメックス)より総額7億円の資金提供を受けます。また、日本の最大手航空会社である全日本空輸株式会社(以下、ANA)、弁護士事務所のモリソン・フォースターLLP(以下、モリソン・フォースター)、ヤフー株式会社(以下、Yahoo! JAPAN)がGHIT Fundのスポンサー企業として参画します。

 

GHIT FundのCEOであるスリングスビー BTは次のように述べています。「GHIT Fundは設立以来のわずか2年間で、そのビジネスモデルが、開発途上国で蔓延する感染症制圧に向けた医薬品開発に対して、有効的かつ革新的なメカニズムであることを示しています。また、今回の新規企業の参画は、当基金のミッションに対する期待の表れでもあり、とても光栄に思います。GHIT Fundは2年間で39の有望な共同研究開発に対し、約43億円の資金を投資しており、製品開発がなかなか促進されない領域において、重要な影響を及ぼしていると考えます。」当基金による43億円の投資には、29億円の共同出資がなされており、直近では、診断薬開発とリーシュマニア症に対する治療薬開発のプロジェクトが加わり、合計72億円のポートフォリオを形成するまでに至っています。

 

GHIT Fundはマラリア、結核、顧みられない熱帯病等の感染症制圧に向けた医薬品開発を支援しており、特にマラリアに関する新薬、ワクチン開発に関しては12億円以上の資金を14の共同研究開発に投資しています。また、経済的、公衆衛生的にもマラリアに次ぐ影響を及ぼしている住血吸虫症に関して、GHIT Fundは製剤設計と新薬開発を含む、世界的に見ても類を見ない開発パイプラインを保有しています。

 

■ イギリス最大のウェルカムトラスト財団の新規参画

 

本日、GHIT Fundはイギリスを拠点とするウェルカムトラストが新規パートナー団体として参画することを発表いたします。ウェルカムトラストは医学研究支援等を目的とした、イギリス最大規模の財団法人であり、GHIT Fundに対し2017年初旬までに5.5億円の資金を拠出します。

 

ウェルカムトラストは感染症に対する研究開発を長年、牽引してきており、拠出金による貢献のみならず、同財団が保有するグローバルヘルスの分野における知見がGHIT Fundの活動をさらに推進させることが期待されます。現パートナーであるビルゲイツ財団同様に、ウェルカムトラストはGHIT Fundの選考委員会、またオブザーバーとして当基金の理事会にも加わります。

 

 

■ 診断薬企業が初のGHIT Fundパートナー企業に

 

診断薬開発企業を牽引し、体外診断システムに実績をもつ、シスメックスが、現在の製薬企業6社に加えて、新たなパートナー企業としてGHIT Fundに加わります。

 

シスメックスは体外診断用医薬品において高い実績をほこり、診断薬企業として初めて参画する同社とのパートナーシップは、GHIT Fundがグローバルヘルスの研究開発に関わる多種多様な機関の参画を歓迎していることを示しています。シスメックスの代表取締役会長兼社長である家次恒氏は以下のように述べています。

「シスメックスは、開発途上国で蔓延する感染症の撲滅を目指すGHIT Fundの取り組みに賛同し、今回当基金に参画することを決定致しました。日々、我々は新興国や開発途上国における感染症の診断に寄与するため、新たな検査技術の創出や製品の開発に積極的に取り組んでいます。この度のGHIT Fundの活動を支援することで、開発途上国での感染症撲滅を目指す取り組みが更に加速することを期待します。」

 

また、GHIT Fundはその他3社のグローバル企業とのスポンサーシップについて発表いたします。

 

・   日本最大級の航空会社であるANAは、GHIT Fundの助成金事業に関連する専門家、医療者に対して、日本で行われる選考委員会の際の航空券を無償で提供します。同社による支援を受け、GHIT Fundは研究開発案件の評価と選考をより効果的に行うことが可能となり、より有望な共同研究案件を推し進めることが期待されます。

 

・   モリソン・フォースターは、米国に本社をおく法律事務所であり、東京を含む世界中に17のオフィスと1000名以上の弁護士を有します。モリソン・フォースターは、GHIT Fundに対し無償で法律関連の相談、助言を提供します。

 

・   Yahoo! JAPANは日本最大級のポータルサイトであり、国内のインターネット使用者の88%[1]*が当サイトを使用しています。今回のパートナーシップにより、Yahoo! JAPANは、グローバルヘルス分野において初めて、GHIT Fundに対するメディアパートナーとして参画します。同社は、一般を対象としたグローバルヘルスに関連する日本語サイトを立ち上げ、グローバルヘルス分野における研究開発の重要性、また、GHIT Fundの役割に関して啓発活動を行っていきます。昨今のグローバルヘルス分野における課題、日本の過去と現在の同分野におけるリーダーシップ、また研究開発分野での重要な役割を果たしている日本の研究者とのインタビューなどが、今後、同サイトに掲載される予定です。

 

ANA、モリソン・フォースター、Yahoo! JAPANによるスポンサー参画により、GHIT Fundは共同研究開発案件をより効率的に運営、管理することが可能となります。GHIT Fundのスリングスビーは、「GHIT Fundは目覚ましいスピードで国内外の名高い機関とパートナーシップを拡大しており、これはGHIT Fundが革新的な組織であるとともに、グローバルヘルス分野における研究開発を積極的に推し進めていることの証と言えるでしょう。」と述べています。

 

 

 

[1] *ヤフー株式会社自主調査(2014年9月実施)

調査回答者:全国16歳以上男女かつ、パソコン・スマートフォン・タブレットのどれかでインターネットを利用している4,146人

 

 

 

【グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)について】

公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、グローバルヘルス分野の製品開発に特化した世界初の官民パートナーシップとして、2013年4月に日本政府(外務省、厚生労働省)、日本の製薬企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同出資により設立された、国際的な非営利組織です。GHIT Fundは、世界の最貧困層の健康を脅かす感染症と闘うために、製品開発パートナーシップへの投資ならびに、ポートフォリオマネジメントを行っています。開発途上国に蔓延するHIV/AIDS、マラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)などの感染症の制圧を目指し、日本と海外の研究機関の連携促進を行い、製品開発パートナーシップへの投資を通じて新薬開発を推進しています。

 

【ウェルカム・トラストについて】

ウェルカム・トラストは医学研究支援等を目的とした財団であり、7億ポンドを超える資金を科学、教育、公共政策また医療への応用研究等の分野に関連するプロジェクトに向けて投資を行っております。ウェルカム・トラストのポートフォリオは総額180億ポンドにおよび、ヒトゲノムのシーケンス解析、マラリアに対する治療薬の研究開発、また「ウェルカムコレクション」と呼ばれる医療や芸術を紹介する施設の創設等、革新的な研究を支援しています。ウェルカム・トラストの詳細については、www.wellcome.ac.ukをご覧ください。

 

【シスメックスについて】

シスメックスは、血液や尿、細胞などを採取して調べる検体検査の分野で、世界190カ国以上のお客様に製品やソリューションをお届けするため、機器・試薬・ソフトウェアの研究開発から製造、販売・サービス&サポートを一貫して行っています。ヘマトロジー(血球計数検査)、免疫、凝固などの分野に加え、ライフサイエンス領域へと事業を拡大しており、独自のテクノロジーを用いて、新たな検査・診断技術の創出に取り組み、一人ひとりに最適な医療の実現を目指しています。シスメックスの詳細については、http://www.sysmex.co.jp/をご覧ください。

 

【ANAについて】

ANAは、約240機の機材で国際線72路線、国内線117路線を運航し、収入規模・輸送旅客数において日本最大の航空会社です。マイレージプログラム「ANAマイレージクラブ」には2600万人を超える会員がいます。1999年よりスターアライアンスに加盟しており、ユナイテッド航空と太平洋路線におけるジョイントベンチャー、ルフトハンザ・ドイツ航空、スイスインターナショナルエアラインズ、オーストリア航空と日欧間のジョイントベンチャーを実施しています。ANAはボーイング787の世界的ローンチカスタマーです。ANAの詳細については、www.ana.co.jp/ をご覧ください。

 

【モリソン・フォースターについて】

モリソン・フォースターは優れた実績を誇る世界的な法律事務所です。クライアントには大手金融機関、投資銀行、Fortune 100 企業、テクノロジー・ライフサイエンス関連企業等が名を連ねています。モリソン・フォースターの弁護士はクライアントのために最良の結果を出すことに全力を注ぐ一方で、より強固な事務所となるべく各弁護士の個性を失わないよう配慮しています。モリソン・フォースターの詳細については、www.mofo.comをご覧ください。 

  

【Yahoo! JAPANについて】

ヤフー株式会社が運営するYahoo! JAPANは、検索、ニュース、eコマースなど100以上のサービスを提供している日本最大級のインターネットの総合情報サイトです。Yahoo! JAPANの詳細については、http://www.yahoo.co.jp/をご覧ください。

 

 

[1] *ヤフー株式会社自主調査(2014年9月実施)

調査回答者:全国16歳以上男女かつ、パソコン・スマートフォン・タブレットのどれかでインターネットを利用している4,146人