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【イベント報告】新たな開発目標の時代とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ:強靭で持続可能な保健システムの構築を目指して
日本政府、国際協力機関(JICA)、日本国際交流センター共催による国際会議「新たな開発目標の時代とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ:強靭で持続可能な保健システムの構築を目指して」が12月16日に東京プリンスホテルで開催されました。国内外の政府関係者や、世界保健機関、世界銀行などの国際機関、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ロックフェラー財団等のグローバルヘルス分野における主要機関が出席しました。
この会議は、これまで国際社会が貧困削減を目標に掲げてきたミレニアム開発目標(MDGs)から、今年9月の国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(持続可能な開発目標(SDGs)を含む)」に移行する過程において、エボラ熱等への公衆衛生危機への備えと対応策、そして強靭で持続可能な保健システムの構築、すなわちユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC) という概念や政策が果たす役割についての議論が行われました。
GHIT Fundはこの会議のランチセッション第二部「保健アクセスの改善の触媒としてのイノベーション―日本のR&DフラッグシップとしてのGHIT―」を開催しました。ピーター・ピオット教授(ロンドン大学衛生熱帯医学大学院学長)とタチ・ヤマダ氏(元ビル&メリンダ・ゲイツ財団グローバルヘルス部門総裁)によるトークセッションが行われ、本会議のメインテーマであるUHCを達成するためには、開発途上国においてこそ、イノベーションが重要な要素であることに言及しました。そして、利益性が見込めない途上国の感染症のための製品開発には官民連携が必要である一方、臨床試験や製造等に関しては、やはり民間企業が持つ専門性や経験が必要不可欠となることも指摘しました。
ピオット教授とヤマダ氏は、日本のグローバルヘルスR&DイニシアチブであるGHIT Fundについて、「GHITはイノベーションを生み出すための触媒として、設立以降うまく機能しており、官民パートナーシップとして成功している事例だ。日本と海外を橋渡しながら、開発途上国に必要なイノベーションの創出を推進している」と締めくくりました。
ランチセッションの最後には、GHIT会長の黒川清がスピーチを述べています。