Investment

プロジェクト

第一三共の化合物ライブラリから見出された複数のライフサイクルステージを標的とする新規PfPFN(プロフィリン)阻害剤のHit-to-Lead研究

イントロダクション/背景

イントロダクション

本プロジェクトは、ハイスループットスクリーニングにより第一三共の保有する化合物ライブラリから見出された、一連のヒット化合物の検証結果に基づいています。現在最も有望な化合物は、強力な抗マラリア活性を有し、新しい作用機序を持つことが示されました。我々はヒット化合物からリード化合物を取得することを目的として、主要な課題である代謝安定性の改善などに取り組み、マラリアの治療および化学予防に適した資質を持つか否かを確認します。

 

プロジェクトの目的

本プロジェクトは、GHIT HTLP/MMV Early Lead Criteria(初期リード化合物基準)を満たす化合物シリーズを開発することを目的としています。これには、in vivoでの薬理作用によりproof-of-conceptを示すこと、ならびに薬物開発に求められる化合物の活性、安定性、薬剤として好ましい特性の最適化が含まれます。

 

プロジェクト・デザイン

本プロジェクトでは、化合物のデザイン、合成、および評価のサイクルを繰り返し実行していきます。化合物のデザイン戦略は、代謝に対する安定性の改善、高マラリア活性の維持、物理化学的特性の最適化に焦点を当てています。また、我々は活性を保ちながら薬物に求められる特性を向上させるために、化合物の中心骨格の変換と重要な部分構造の構造活性相関(SAR)の探索に取り組みます。

本プロジェクトによって、グローバルヘルスの課題はどのように解決されますか?

マラリアは依然として主要なグローバルヘルスの脅威であり、2023年には597,000人以上が死亡しており、特にサハラ以南のアフリカで5歳未満の子供と妊婦に深刻な影響を及ぼしています。また、アルテミシニン併用療法(ACT)などの標準治療法に対する耐性の出現により、新しい作用機序を持つ新薬の開発が急務となっています。本プロジェクトでは、寄生虫のライフサイクルにおいて重要な役割を果たし、かつ不可欠なタンパク質を標的としているため、治療および化学予防の両方に対して有望な可能性があります。複数のステージに対して活性を示す薬剤の開発により、本プロジェクトはマラリアのグローバル根絶計画に貢献し、また、MMVおよびWHOのマラリアの制圧と撲滅戦略にも合致しています

本プロジェクトが革新的である点は何ですか?

本プロジェクトでは、新しい作用機序に関連する新しい化学構造を特定し活用していきます。そして、先進的な創薬化学研究および計算モデリングを駆使してヒット化合物の最適化を行います。また、予測モデリングツールや生成デザインプラットフォームを統合し、化合物の最適化を効率化します。

各パートナーの役割と責任

• Medicines for Malaria Venture(MMV):指定開発パートナーとして、プロジェクトのリーダーシップ、タイムラインおよび予算の遵守、GHITへの報告を行い、また、主要な研究活動を適切なCRO(化合物合成、および寄生虫学、細胞毒性、薬物動態の各評価)、およびMMVネットワークパートナー(その他の評価、安全性プロファイリングのサポート)に委託する責任を負います。

• 第一三共:化合物デザインおよび構造活性相関の分析において創薬研究をサポートします

他(参考文献、引用文献など)

本プロジェクトは、過去にGHIT fund(S2020-113およびS2024-111)によって助成されており、MMVの戦略目標とも整合しています。

参考文献:

“Global technical strategy for malaria 2016-2030, 2021 update”, WHO 2021