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Project IDG2022-210
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受領年2025
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投資金額¥183,557,100病気Malaria対象Drug開発段階Lead OptimizationパートナーGlaxoSmithKline Investigacion y Desarrollo, S.L. , 東京大学 , Medicines for Malaria Venture (MMV)過去の案件
イントロダクション/背景
イントロダクション
プロリル‐tRNAシンテターゼ(PfProRS)は、蛋白質合成に必須の酵素であり、マラリア(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15422372/)に対する臨床的に検証された標的である。タケダとMMVは2019年4月からPfProRSを標的とするプロジェクトにおいて協働しており、新規なケミカルシリーズに関する予備研究の成果を報告している。(https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsinfecdis.1c00020)
PfProRSをATP競合的に阻害するピリジルピロリドンシリーズは、ヒトProRS及びヒトキナーゼに対して高い選択性を有することが確認されている。このシリーズに属する化合物は、熱帯性及び三日熱マラリアの臨床分離株の血液病期並びに肝臓病期に対して増殖阻害活性を有し、許容される耐性プロファイルを有する。
初期段階のリード化合物 MMV1902882は生化学的選択性が良く(Pf/Hs:0.019 μM/1.76 μM)、細胞選択性が高い(3D7 LDH/HepG2:0.07 μM/22 μM)。一方で、力価、hERG阻害活性、バイオアベイラビリティー(マウスではF=22%)は、構造最適化で対処すべき重要な問題である。
プロジェクトの目的
最終的なゴールは、MMVの予防薬(TCP-4)又は治療薬(TCP-1)の基準を満たす前臨床候補化合物を創製することが目的である。(https://www.mmv.org/frontrunner-templates)。この2年間のプロジェクトは、候補品プロファイリング研究へのエントリーに適した後期リードを同定することを目的としている。詳細については以下に示す。
1. 寄生虫力価の上昇
2. ヒト薬物動態の予測値が、治療薬及び予防薬の用量基準を満たすよう改善
3. hERG阻害を最小限に抑え、許容範囲に到達
4. ヒトProRSに対する選択性を1000倍以上
5. ヒトマラリア感染マウスモデルでの有効性、耐性リスク等を含む寄生虫学的プロファイルの決定。
6. 開発可能性及び安全性リスクの特定及び軽減
プロジェクト・デザイン
このプロジェクトでは、医薬化学、分子モデリング、寄生虫学、DMPK及びファーマコメトリクス、毒性学、製剤化およびスケールアップ化学の専門知識を有するプロジェクトチームのインプットと多様なスキルを活用し、学際的な創薬アプローチを用います。 初期リードを出発点とし、MMV、GSK及び東京大学がもつ最先端の研究開発力により、データに基づいて、リード化合物の薬剤としての特性を合理的かつ体系的に向上させます。リードの分子標的はマラリア原虫の増殖に不可欠な酵素であり、構造情報に基づいたドラッグデザイン(SBDD)のアプローチが適用されます。
本プロジェクトによって、グローバルヘルスの課題はどのように解決されますか?
マラリアは2020年に約627,000例の死亡を引き起こし、その大部分は5歳未満の小児及び妊婦であった。マラリアはマラリア原虫属の寄生虫によって引き起こされる。ヒトでは、5種類のマラリア原虫がこの病気を引き起こすことが知られています。特に重要なのは、サハラ以南のアフリカで最も致死率が高く、症例の93%を占める熱帯熱マラリア原虫と、東南アジアとアメリカで流行している肝潜伏型により治療後の疾患再発を引き起こす三日熱マラリア原虫である。現在の抗マラリア管理は、反復投与を必要とするアルテミシニン併用療法(ACT)に大きく依存しており、現在使用されているすべてのACTに対して寄生虫感受性の低下が認められ、併用薬耐性が明らかな東南アジアの一部では有意な失敗率に至っていることが懸念される。耐性がアフリカ(ほとんどの死亡が発生)で広がった場合、大きな健康危機が懸念されている。この差し迫った危機に対応し、最終的に疾患の根絶を目指すために、既存の治療薬に関連する既知の耐性を克服する新規作用機序を有する新薬が必要とされている。急性期治療に加えて、化学的保護/予防にも用いることができる化合物の開発は、根絶の促進に役立つであろう。新規作用機序による本プロジェクトは、マラリア撲滅目標を推進するために利用可能な治療選択肢を増やす。
本プロジェクトが革新的である点は何ですか?
本プロジェクトで展開するシリーズは新規な化学構造であり、新規作用機序と独自の寄生虫学的プロファイルを有し、肝ステージの原虫を殺すという付加的な利点を有する合併症のないマラリア治療に適用できる。プロジェクトチームは、構造ベースのドラッグデザイン及びタンパク質結晶学(MMVパートナーが支援)を含む最新の創薬アプローチを用いて、最終的に前臨床候補を特定することを目指す。この集学的チームは、治療又は予防の新たな選択肢を提供するために必要な専門知識と能力を備えています。
各パートナーの役割と責任
GSK、東京大学及びMMVの共同研究者は、プロジェクトの目的を達成するために、新規化合物の設計、合成、生化学的および寄生虫学的プロファイリングを含め、プロジェクトの運営に密接に関与します。GSKとMMVは、化合物を最適化するために、構造生物学に基づく技術など医薬品化学の専門知識を活用します。GSKはProRSに関する生化学の専門知識を活かして化合物の特性評価を行い、東京大学は化合物の寄生虫学的研究を行い、薬効と薬剤耐性発生のリスクを評価します。一部の活動は、委託研究機関やMMVネットワークのパートナーを通じて実施されます。全体的なプロジェクト運営はすべての共同研究パートナー組織の代表者が共同で担います。
Investment
プロジェクト
抗マラリア薬を指向したProlyl tRNA 合成酵素阻害薬の開発




