Investment

プロジェクト

マラリアに対する化合物探索プログラム

最終報告書

1. プロジェクトの目的

本プロジェクトは、武田薬品が保有する化合物ライブラリーから、細胞系アッセイ抗マラリア活性を有し、かつMMVおよびGHITが定めるhit-to-lead段階へ進むための基準を満足する新規化合物を見出すことを目的として実施されました。

 

2. プロジェクト・デザイン

共同研究機関のグリフィス大学にて、マラリア原虫の生活環における成長阻害活性を調べるため、武田薬品が提供した約2万化合物のマラリア原虫薬物感受性株および薬物耐性株に対するスクリーニングが実施されました。見出されたヒット化合物に対して、寄生虫学や薬物動態の観点に基づいたより詳細な評価を実施しました。

 

3. プロジェクトの結果及び考察

ハイスループットスクリーニングの結果、111個のアクティブ化合物が見出され、その内マラリア原虫薬物感受性株(Pf3D7)に対して濃度依存的な成長阻害活性を示し、かつヒト正常細胞に対する毒性の懸念が少ない43化合物をヒット化合物として同定しました。続いて、化合物の活性、新規性、および誘導体の合成展開可能性の評価により優先順位付けした7化合物に対して、交叉耐性、細胞系における殺虫速度、薬物動態について評価を行いました。現在プロジェクトチームはGHITのヒット・トゥ・リードプログラムの申請基準を満たすヒット化合物の最終的な選定を実施しています。