プレスリリース
マラリアと顧みられない熱帯病の新薬開発に約16.4億円の投資
塩野義、エーザイ、田辺三菱、長崎大学などへ助成
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)は、マラリアおよび顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases: NTDs)の新薬開発プロジェクト4件に、合計約16.4億円の投資を決定したことを発表いたします1。
GHIT Fundは、世界的な脅威であるマラリア、結核、NTDsといった主に貧困層にまん延する感染症に対して、革新的な治療薬、ワクチン、診断薬の研究開発に投資(助成)をしています。投資対象となる研究開発プロジェクトは、日本と海外のパートナーにより構成される共同研究であることが条件であり、この度の4件のプロジェクトは日本の製薬企業や大学、海外の研究機関や医療機関、大学など多様なパートナーで構成されていることが特徴です。
マラリアの治療薬開発への投資は、塩野義製薬株式会社、長崎大学、国立感染症研究所、およびMMVで構成されるパートナーシップによる予防薬開発と、エーザイ株式会社が主導する治療薬開発の2プロジェクトに合計約4.4億円投資いたします。
また、顧みられない熱帯病に対しては、エーザイ株式会社およびボン大学病院などによるオンコセルカ症とリンパ系フィラリア症に対する治療薬開発と、田辺三菱製薬株式会社およびDNDiによるシャーガス病の治療薬開発の2プロジェクトに合計約12億円の投資をいたします。
GHIT Fundは日本と海外を含む180機関以上の製品開発パートナーを結びつける触媒の役割を果たし、グローバルなパートナーシップの構築により、研究開発におけるオープンイノベーションを促進し、患者が必要とする製品を迅速に届けるための研究開発の加速を推進しています。
各プロジェクトの概要や開発段階など、詳しくは別紙1をご覧ください。
2024年3月31日時点で、36件のプロジェクトに投資しており、内訳として、12件の標的・探索研究、16件の非臨床試験、8件の臨床試験2となります。GHIT Fundのこれまでの累積投資金額は約332億円となります(別紙2)。
注記
1これらの案件は、2023年6月〜2024年1月にかけて実施した公募RFP2023-002(製品開発プログラム)の中から選定され、承認されたものです。
2 薬事申請の段階にある案件を含みます。診断薬開発において、途上国における 患者サンプルを使用した臨床的妥当性の評価を行う段階に入った案件については、表現の便宜上、臨床試験として扱う。