プレスリリース

October 30, 2023

グローバルヘルス技術振興基金とMedicines Patent Pool、医薬品へのアクセス向上に対する連携強化の覚書を締結

公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)と、国連が支援する公衆衛生機関であるMedicines Patent Pool(本部:スイス・ジュネーブ、代表:Charles Gore、以下「MPP」)は、本日、医薬品へのアクセスの向上に対する連携強化の覚書を締結したことを発表します。

 

GHIT Fundは、低中所得国の健康を脅かす結核・マラリア・顧みられない熱帯病(NTDs)の感染症において、治療薬、ワクチン、診断薬の研究開発への投資を行い、設立から10年で累計投資件数は120件以上、累計投資金額は300億円を超え、グローバルヘルスにおける研究開発と製品開発に注力してきました。MPPはライセンス契約や技術移転を通じて、医薬品への公平なアクセスを向上させる活動に従事しています。製薬企業とのライセンス契約のもと、ジェネリック医薬品の製造パートナーにサブライセンスを供与することで、革新的な治療法に対して適正な価格で品質が確保されたジェネリック医薬品の製造と開発を推進し、少しでも早く低中所得国へ医療品を届けることを目指しています。MPPは、2022年末までに148カ国で346.9億回分の必須医薬品の供給を可能にしました。

 

両機関のパートナーシップは、特に低中所得国における製品への公平なアクセスの改善、向上を目的としています。MPPが保有するグローバルヘルス領域におけるライセンシングや技術移転の知識および世界中の資金提供者、研究機関、大学との緊密な連携や公平なアクセスを支援するMPPの2023-2025年戦略とGHITが掲げる第3次5カ年計画『GHIT3.0』における革新的な医療技術の促進やアクセス&デリバリーのための環境整備にかかわる戦略が合致し、両機関の連携強化につながりました。この連携を通じて、技術移転におけるプロセスを合理化し、革新的な技術を効率的に展開できるよう推進していきます。

 

GHIT Fund CEOである國井修は次のように述べています。「GHIT Fundはグローバルヘルス領域において単に研究開発を促進して治療薬、ワクチン、診断薬の新製品を開発するだけでなく、それらを必要とする貧困国の人々に迅速かつ公平に、持続的に届けるための仕組みづくりについてもパートナーとともに貢献していきます。そのために革新的な取り組みをしているMPPとの協力はとても重要です。」

Medicines Patent Pool代表のCharles Goreは、次のように述べています。「MPPは、低中所得国で困っている人々のために、革新的な医療技術への適正なアクセスを促進することを約束します。私たちは、GHIT Fundやその投資先のパートナーと協力し、低中所得国の適切な製造業者へのライセンス供与や技術移転を通じて、医療技術への適正なアクセスを支援します。」

 

【Medicines Patent Poolについて】

Medicines Patent Pool(MPP)は、国連が支援する公衆衛生団体で、低・中所得国の人々の生命を救う医薬品へのアクセスを向上させ、その開発を促進するために活動しています。MPPは、革新的なビジネスモデルを通じて市民社会、政府、国際機関、産業界、患者団体、その他のステークホルダーと提携し、必要な医薬品を優先的にライセンスし知的財産をプールすることにより、ジェネリック医薬品の製造と新製剤の開発を促進します。現在までに、MPPは20のパテントホルダーと契約を締結しています(HIV抗レトロウイルス薬13件、HIVテクノロジープラットフォーム1件、C型肝炎直接作用型抗ウイルス薬3件、結核治療薬1件、がん治療薬1件、長時間作用型技術4件、COVID-19経口抗ウイルス治療薬3件、COVID-19テクノロジー15件)。MPPはUnitaidによって設立され、現在もMPPの主要な出資者となっています。また、必須医薬品へのアクセスに関するMPPの活動は、スイス開発協力庁(SDC)からも資金提供を受けています。COVID-19におけるMPPの活動は、日本政府、フランス欧州外務省、ドイツ国際協力庁、SDCの資金援助を受けて実施されています。詳しい情報は、https://medicinespatentpool.org/TwitterLinkedInYouTubeでフォローしてください。