プレスリリース

February 5, 2015

開発途上国の感染症向け、標的研究プログラムを開始

開発途上国の感染症向け、標的研究プログラムを開始

Target Research Platform in partnership with Grand Challenges

 

マラリア、結核、シャーガス病、リーシュマニア症に対する画期的な新薬開発を促進

 

 

東京、日本(2015年2月5日)–公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)はこのたび、開発途上国に蔓延する様々な感染症の制圧に向けて、ビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下、ゲイツ財団)のグランド・チャレンジと連携し、新たに、標的研究プログラム(英語表記:Target Research Platform in partnership with Grand Challenges、以下、TRP)の開始を発表いたします。

 

TRPでは、治療薬、ワクチン、診断薬開発の早期段階の画期的なプロジェクトに対して、一案件あたり、最大1億円を投資するもので、GHIT Fundは年間最大2億円をTRPに対して投資を行います。TRPで成果が得られたプロジェクトに関しては、GHIT Fundが実施する製品開発プログラム(英語標記:Product Development Platform)に進むことが期待されます。

 

グランド・チャレンジはゲイツ財団が10年前に創設したプログラムで、グローバルヘルスや開発分野の難題を解決するために、創造的かつ、大胆で画期的なアイデアを世界中から集めることを目的として実施されています。これまでに80を超える国々や機関に対して、2000件を超えるプロジェクトに助成しており、インド、ブラジル、カナダなどでは同様の理念に基づいて各国独自のグランド・チャレンジ・プログラムが行われています。グローバルヘルス分野におけるプロジェクトの一例として、吸入型の結核ワクチン開発や、他の感染症の治療薬をマラリアの予防薬に応用する研究などが採択されています。

 

日本では、未だかつてグランド・チャレンジは実施されておらず、GHIT FundのTRPが初の試みとなります。TRPでは、世界の最貧困層の健康や命を脅かすマラリア、結核、シャーガス病、リーシュマニア症を対象疾患として、日本からのイノベーション創出を推進するとともに、GHITが実施する他のプログラムと同様に、日本と海外の研究機関のグローバルな連携に対して投資を行います。

 

GHIT FundのCEOであるスリングスビーBTは「グローバルヘルスの様々な問題に対して、諸外国のグランド・チャレンジ・プログラムでは革新的なアイデアが生まれています。GHITは、従来の研究対象のステージを拡大して、より早期段階の、新規の手法、概念設計などの標的研究に対しても投資を行い、開発途上国の感染症との闘いを続けていきます。」と述べています。

 

ゲイツ財団のトレバー・マンデル氏(グローバルヘルスプログラムプレジデント)は「日本は、開発途上国の感染症の問題に対して、グランド・チャレンジのプラットフォームを用いて、その計り知れない能力を活かすことができると確信しています。ゲイツ財団は過去10年間、グランド・チャレンジを通じて、グローバルヘルスの問題を解決しうる、創造的で先見性のあるアイデアの創出に寄与してきました。GHIT FundのTRPを通じて、専門家や先駆者から解決策を導く独創的で優れたアイデアがさらに集まることを期待しています。」と述べています。

 

TRP公募の開始について

GHIT Fundは本日、TRPの公募を開始いたします。第1回目の公募案件の結果公表は2015年8月を予定しています。TRPへの申請を希望される方は、2015年3月13日までに応募フォーム(Intent to Apply)を提出してください。TRPの詳細や申請要件を確認するには、当基金のウェブサイトhttps://www.ghitfund.org/afag/trpをご覧ください。