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June 11, 2018 Leadership

黒川清前会長退任メッセージ

 

5年前、私がGHIT の会長として就任したとき、私たちは未知の領域にいました。 GHITはまったく新しい冒険であり、初の試みでした。しかし、私は、GHITが革新的な官民パートナーシップであることや、そのビジョンやミッションに賛同し、この仕事を自信を持って引き受けることにしました。

 

GHIT が日本の製薬企業、日本政府、ビル&メリンダ・ゲイツ財団とウェルカム・トラストによって資金拠出されていることは本当にユニークだと思います。しかし、このような国際的なステークホルダーとのバランスを保つために、当初から透明なガバナンスを構築する必要がありました。設立から5年経った今、GHITがうまく軌道に乗ったのはこのガバナンスによるところが大きいと思います。

 

こうした内容を、グローバルヘルスに興味を抱く若い世代の人たちと話をすると、彼ら・彼女らのマインドセット(意識や考え方)がグローバルな視点に変化していくのを見ると、非常に嬉しく思います。私たちがそうであったように、彼ら・彼女らは、低中所得国の健康を変革するために、日本の科学や技術を活用したいという思いを持つでしょうし、その思いを実現するためのグローバルなパートナーシップに魅了されることでしょう。日本の若い世代は、世界中の同じ世代の人々と一緒に、世界で最も難しい課題に果敢に取り組んでいくと思います。

 

GHIT は、日本の公益法人でありながらも、国際機関としての側面やアイデンティティーを持つことで、成果を積み上げることができました。GHITには、国際性に富む理事がいて、CEOのスリングスビー​氏は多文化を理解し、国際的な経験を持っています。マネジメントチームも国際的な基準に沿って運営を行っています。GHITのような新しいことに挑戦する先駆者は多くの課題に直面しますが、それらを乗り越えることで今後さらに強くなっていくと思います。

 

現在、GHITから投資を受けた、日本の科学や創薬技術を活用した新薬開発案件が40件以上進んでいます。私は今後もこれらのプロジェクトの進捗を楽しみにしています。ステークホルダーの皆様も、GHIT の成果や実績を評価してくださっていますし、その証左として、第二期への支援表明も頂いています。

 

第一期を終える今、私は、これまでの成果全てに満足しています。評議会、理事会、選考委員会、アドバイザリーパネル、資金拠出パートナー、スポンサー、製品開発パートナーに感謝を申し上げます。また、GHITを率いるスリングスビー​氏とマネジメントチームの不断の努力とコミットメントにも深謝します。

 

GHIT は今後も続いていきますが、私は、私自身が今GHIT を去るべきだと決めていました。今後は、20年以上にわたる知己であり、深い信頼を寄せる中谷比呂樹氏に会長のバトンを渡します。

 

本日で私は会長としての任務を終えますが、今後もGHIT のアンバサダーとしてサポートしていきたいと思います。

 

2018年6月6日付