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September 27, 2019

【イベント報告】アフリカ開発会議7『「顧みられない熱帯病(NTDs)」がないアフリカへー日本とアフリカのパートナーシップ』

8月28日(水)に開催されたアフリカ開発会議にて、GHIT Fundは、日本顧みられない熱帯病アライアンス(JAGntd)、エーザイ株式会社、DNDi  Japan、特定非営利活動法人SDGs・プロミス・ジャパン、独立行政法人国際協力機構(JICA)、日本製薬工業協会(JPMA)、Uniting to Combat NTDs(UTC)とともに公式サイドイベント『「顧みられない熱帯病(NTDs)」がないアフリカへー日本とアフリカのパートナーシップ』を開催しました。このイベントでは、日本がこれまで講じてきたNTD対策への貢献を見える化するとともに、TICADの枠組みの下で、国際社会とアフリカの指導者たちと共にNTD制圧へ向けた具体的な行動を呼びかけました。

 

イベントの冒頭、衆議院議員の塩崎恭久氏(「顧みられない熱帯病(NTDs)の根絶を目指す議員連盟」会長)が日本がこれまで果たしてきたNTD対策への貢献と先進的な役割についての言明するとともに、今後さらにNTD制圧を推し進めていくことでUHCの達成に貢献し、アフリカの経済成長にも寄与することができるという力強い提唱がなされました。

 

また、国際協力機構(JICA)の北岡伸一理事長からは、日本の外交戦略の柱である人間の安全保障という観念からもNTDsの制圧に取り組むことは不可欠であるという見解が述べられました。

 

世界保健機関(WHO)NTDディレクターであるMwele Malecela 氏からは、WHOとしてNTDsを制圧するための戦略と具体的なロードマップが示され、その達成にはこれまで以上に日本からのコミットメントが不可欠であるというメッセージが打ち出されました。

 

次に、日本がこれまで講じてきたNTD対策への貢献と今後の取組みについて、学術・産業・政府開発援助という観点からそれぞれ平山謙二氏(長崎大学熱帯医学研究所教授)、内藤晴夫氏(エーザイ株式会社代表執行役CEO)、戸田隆夫氏(国際協力機構(JICA)上級審議役)が登壇しました。

 

平山氏からは、日本が世界に先駆けて選択的集団治療や衛生環境の向上に取り組み、住血吸虫症やリンパ系フィラリア症を根絶したこと、またその経験が世界的NTD制圧プログラム策定へ活かされていることが述べられました。

 

内藤氏からは、エーザイによるリンパ系フィラリア症制圧プログラムへの貢献のみならず、様々な民間企業がWHOの制圧プログラムに貢献していること、また、その取り組みは疾患の制圧がなされるまで責任をもって続けられることが明言されました。

 

戸田氏からは、NTDsを制圧するには長期的な関与が必要であり、これまで日本政府が力を入れてきた人材育成を含め人中心のアプローチが重要性を増してくることが強調されました。

 

次に、DNDiアフリカでディレクターを務めるMonique Wasunna氏が登壇し、実際にアフリカにおいて制圧計画がどのように進んでいるかの報告がなされました。近年、トーゴとエチオピアが、アフリカ大陸では初めてとなるリンパ系フィラリア症制圧に成功しています。また、ガーナ​​はサハラ以南のアフリカの国として初めてトラコーマを撲滅に成功しました。これらの国に限らず、他の国でもNTDsの治療はより多くの人々の手に届くようになっており、感染リスクが低下しています。また、近年、制圧プログラムに不可欠なリーシュマニア症、アフリカ睡眠病の診断薬や治療薬の開発が進んでおり、また、マイセトーマ治療薬の開発も大きく前進しています。

 

イベントの後半では、外務省国際協力局国際保健政策室長の鷲見学氏と、ビル&メリンダゲイツ財団国際開発プログラムプレジデントのChristopher Elias氏が登壇し、今後、NTD制圧に向けた日本や国際社会の関わりについて展開されました。鷲見氏は、NTD制圧に向けた日本政府の継続的なコミットメントを約束し、日本の医療技術・研究開発力などの強みを活かせる仕組みとして、GHIT Fundが極めて重要な役割を果たせるという展望を述べました。Elias氏はここまでの成果は、当事者であるアフリカ諸国の努力と、それを支援する日米英諸国、そして、製薬企業など民間セクターや国際社会などの積極的な努力によりなしえたものであるとの見解を示しました。

 

最後に、GHIT FundのCEO大浦佳世理は、このTICAD7がアフリカ諸国と世界中のパートナーを結び、NTDsにかかる施策を協議するには最適の場であり、今後、WHOの定めるターゲット2030に向けてその制圧を推し進めていくためのさらなる取組みが必要であることを会場全体で確認し、イベントを締めくくりました。