Investment

プロジェクト

NTDに対する化合物探索プログラム
  • 受領年
    2015
  • 投資金額
    ¥3,100,000
  • 病気
    NTD (Leishmaniasis)
  • 対象
    Drug
  • 開発段階
    Hit Identification
  • パートナー
    エーザイ株式会社 ,  Drugs for Neglected Diseases initiative

最終報告書

1. プロジェクトの目的

本プロジェクトは、リーシュマニア症およびシャーガス病の原因となるLeishmania donovaniLeishmania infantum、およびT. cruziに対し、エーザイが保有する天然物ライブラリー (約3,600化合物) のスクリーニングを実施し、ヒット化合物群を特定することを目的とした。

 

2. プロジェクト・デザイン

エーザイが保有する天然物ライブラリー (約3,600化合物) のLeishmania donovaniLeishmania infantum、およびT. cruziに対するスクリーニングを実施し、用量依存性を検討した。続いて本スクリーニング、および以前にエーザイと実施した別のスクリーニング案件 (S2013-121、化学合成由来の20,000化合物) で得られたヒット化合物群のプロファイリングを行った。活性を示す新規骨格の種類を増やし、全体のヒット化合物群を拡大するため、追加の誘導体スクリーニングを進め、Hit-to-Leadへの進展を目指した。

 

3. プロジェクトの結果及び考察

スイスのSwiss Tropical and Public Health Institute (STPH)、およびベルギーのLaboratory of Microbiology, Parasitology and Hygiene, the University of Antwerp (LMPH) での試験により、Leishmaniaに活性を示す3種類の新規骨格 (化合物数の少ないヒット化合物群2種、およびシングルトン1種) を見出した。これらヒット化合物の周辺化合物をLMPHで評価し、各シリーズの可能性を検討した。エーザイおよびDNDiの評価により、Hit-to-Leadに進むに値する骨格は1種類のみであった。さらにLMPHで本骨格の周辺誘導体のスクリーニングを実施したが、活性の確認されたヒット化合物はDNDiが主導するコンソーシアム「顧みられない熱帯病創薬ブースター」で以前に評価したものの類似化合物であった。全体のデータをレビューした結果、このヒット化合物群の更なる検討を継続しないことを決定した。

 

教訓:

- 新規のスクリーニングに臨む際には、DNDiがこれまでに評価した化合物ライブラリーの情報とリーシュマニア症およびシャーガス病の創薬研究で蓄積した知見を活かし、評価すべき化合物の種類をより詳細に限定するために、エーザイおよびDNDiで入念な事前協議を行うこと(既知化合物の除外、シャーガス病創薬におけるCYP51阻害剤候補の除外等)。

- DNDiによるヒット化合物の評価をより迅速に実施すること。