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Project IDH2025-202
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受領年2025
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投資金額¥87,594,013病気Tuberculosis対象Drug開発段階Lead Identificationパートナー新潟大学 , The Global Alliance for TB Drug Development
イントロダクション/背景
イントロダクション
結核は、これまで人類の歴史の中で最も多くの命を奪ってきた感染症です。現在でも、AIDSや新型コロナウイルス感染症を上回る死亡者を出しており、結核のパンデミックが続いているといってもよい程です。結核菌の大きな特徴は、増えるスピードが非常に遅く、頻繁に「休眠」と呼ばれる、眠ったような状態に入ることです。この状態では、現在使われている薬が効きにくくなってしまいます。そのため、結核の治療は、標準療法で少なくとも6か月という長い期間が必要です。治療を途中でやめてしまうと耐性菌も出現し、さらに大きな問題になります。また休眠した結核菌は体の中に長く潜み続け、時間がたってから再び増殖することがあります。この「再燃」が、成人の結核患者の多くの原因になっています。このような状況から、休眠を抑える治療薬の開発は、治療期間の短縮や結核の根本的な克服につながると考えられています。
プロジェクトの目的
チームは、細菌の休眠を誘導できるタンパク質を発見し、それに強く結合する化合物を探索して、新しい化合物を見出しました。この化合物は、増殖している結核菌にも効果がありました。多くの結核菌が休眠する条件では、さらに効果が高まりました。増殖している結核菌と休眠結核菌にも作用する治療薬を開発できれば、薬剤耐性結核の治療に加え、治療期間の短縮や、結核の再発を防ぐことができ、結核の根本的な解決につながると期待されます。これまで本プロジェクトに関する基礎研究は文科省科研費24K02277等で、 開発研究はAMED の課題管理番号 JP16nk0101351および23gm1610009hの支援を受け進められてきました。本プロジェクトでは、この新しい化合物が、将来のリード化合物として十分な可能性を持っているかどうかを、科学的に詳しく検証することを目的としています。
プロジェクト・デザイン
本プロジェクトでは、候補化合物の創薬ポテンシャルを評価するため、以下の試験を段階的に実施します。まず放線菌から産生される対象化合物を精製し、またその誘導体を合成します。化合物の物性評価として、生理的条件下における溶解性および脂溶性の評価を行います。あわせて、細胞膜透過性および排出の有無について検討します。次に、薬物動態特性の評価として、血漿タンパク結合率の測定を行います。さらに、肝ミクロソームおよび肝細胞を用いた代謝安定性試験を実施し、体内動態の基礎特性を評価します。安全性評価として、主要なオフターゲット阻害作用の有無を検討するとともに、心毒性評価としてhERG阻害試験を実施します。加えて、遺伝毒性評価としてAMESs試験およびin vitro小核試験を行います。これらの基礎評価を踏まえ、有望な化合物についてマウス結核感染モデルを用いた有効性試験を実施し、体内における抗結核効果を検証します。
本プロジェクトによって、グローバルヘルスの課題はどのように解決されますか?
結核の長期治療の負担や、治療中断による再発、さらには薬剤耐性結核の出現が、大きな問題となっています。さらに、体内で休眠した結核菌による無症候感染は、将来の発症につながる結核の発生母体となっています。
本プロジェクトで目指す治療薬は、増殖している結核菌に加え、休眠状態の菌にも作用することが期待されます。また、既存の結核治療薬とは異なる新しい標的を狙うため、多剤耐性結核に対しても有効な可能性があります。
休眠菌を含む結核菌を効果的に除去できれば、無症候感染を駆逐し、治療期間の短縮や再発の予防、感染拡大の抑制につながります。本研究は、薬剤耐性結核の治療や治療期間短縮による患者負担の軽減、さらには発生母体の排除により、最終的な結核の制圧に寄与することが期待されます。
本プロジェクトが革新的である点は何ですか?
これまでの治療薬は、増殖や代謝が活発で、主に薬が効きやすい増殖している結核菌を標的としており、休眠状態の菌には十分に作用していませんでした。本研究では、結核菌が休眠に入る際に重要な役割を果たすとおもわれるタンパク質に着目し、その働きを抑制する新しいアプローチを採ります。この標的は既存薬とは異なるため、多剤耐性結核に対しても有効である可能性もあります。増殖菌と休眠菌の両方に作用することで、治療期間の短縮や再発防止、さらには無症候感染という結核の発生母体の排除につながる点が、本プロジェクトの大きな革新性です。
各パートナーの役割と責任
新潟大学は本プロジェクト全体のマネジメントを担当するとともに、試験に用いる化合物の生産および精製を行い、研究に必要な化合物を各機関へ供給します。またTBアライアンスと共同で、ADME試験や薬物動態(PK)解析など、各種前臨床評価を実施します。コーネル大学は、結核菌に対する化合物の作用を試験管内で評価し、抗結核活性および作用特性の解析を行います。コロラド州立大学は、結核感染動物モデルを用いた有効性試験を実施し、体内における治療効果を検証します。
Investment
プロジェクト
結核菌の休眠を標的とした、薬剤耐性結核の治療および治療期間短縮に資する抗結核薬リードの創出




