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受領年2024
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投資金額¥679,783,110病気Tuberculosis対象Diagnostic開発段階Product Designパートナー富士レビオ株式会社 , ハイデルベルク大学病院 , Fluxus, Inc.
イントロダクション/背景
イントロダクション
結核は毎年1000万人が罹患し、200万人が亡くなる世界三大感染症の一つです。結核の検査は喀痰を用いた方法が主流ですが、非効率的であり、喀痰が出ない患者には適用できないなどの課題があります。これらの背景から、尿を用いて検査できるポイントオブケア(PoC)検査薬の早急な開発が求められています。
リポアラビノマンナン(LAM)は結核患者の尿中で検出できる結核のバイオマーカーです。しかし現在利用可能なLAM測定試薬は感度に課題があり、HIV感染患者のみでしか使用できません。尿中LAMの超高感度PoC検査は、結核の診断性能を向上させることができ、結核検査の普及により結核感染の伝播を抑えることが期待されます。
フラクサス社(米国)は、光学と流体工学を組み合わせたオプトフルイディクス技術分野のリーダーで、1分子検出を特徴とした次世代の超高感度分析検出システムを開発しています。また、この技術を用いた超高感度尿中LAM試薬を開発しています。
プロジェクトの目的
本プロジェクトでは、ポータブルPoCシステムの開発および超高感度な尿中LAM測定試薬の開発を行います。このLAM測定試薬は、フラクサス社の卓上型自動分析装置を用いた尿中LAM測定試薬をベンチマークとして開発します。
プロジェクト・デザイン
以下のことを実行して、プロジェクトの目的を達成します。
1) 卓上型自動分析装置を用いた超高感度な尿中LAM測定試薬の開発および性能評価を行います。また、この測定方法をカートリッジ型のPoC測定試薬の開発に応用します。
2) 機能的カートリッジおよびPoC LAM測定試薬のプロトタイプの開発とともに、超高感度ポータブルPoCシステムの重要構成品の設計開発を行います。
本プロジェクトによって、グローバルヘルスの課題はどのように解決されますか?
過少な診断や正確で利用しやすい診断法の不足により、年間約300万人の新規感染者が見逃されています。現在利用可能な結核検査は、感度、コスト、複雑性、測定時間に課題があり、さらに特殊な設備や喀痰が必要となります。そのため、すべての患者集団やすべての結核型に使用することはできません。結核検査の拡大と診断率の向上による臨床結果の改善および感染者数を減少させるために、超高感度な尿中LAM PoC検査が強く求められています。
本プロジェクトが革新的である点は何ですか?
フラクサスのオプトフルイディック1分子検出技術は卓上型分析装置で実証され、尿中LAM測定の超高感度化に成功しました。この技術のコアコンセプトは極小チップ上で光路とマイクロ流路を交差させて蛍光物質を検出するものであり、これによりLAMに結合した蛍光物質を個々に検出することが可能になります。フラクサス社は先進的なフォトニクス、ハードウェア・ソフトウェアエンジニアリング、微細加工、バイオコンジュゲーションおよびアッセイ系開発における専門知識と経験を活かして、この技術と性能を小型で堅牢なポータブルデバイスに組み込む計画です。
各パートナーの役割と責任
フラクサスは本プロジェクトの統括を務めるとともに、超高感度なLAM測定の開発およびPoCシステムの開発を担当します。富士レビオは専門知識の提供および指導を行います。スタンフォード大学とHealth Care and the Rapid Research in Diagnostics Development for TB (R2D2) Network は臨床サンプルへのアクセスを提供するとともに臨床開発に関する専門知識、指導を行います。
Investment
プロジェクト
結核のPoC迅速診断を目的とする尿中LAMの超高感度検出