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受領年2020
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投資金額¥16,875,990病気NTD(Leishmaniasis)対象Drug開発段階Hit Identificationパートナー東京大学 , Drugs for Neglected Diseases initiative
最終報告書
1.プロジェクトの目的
内蔵リーシュマニア症の原因病原体であるドノバンリーシュマニア (Leishmania donovani)に対する殺滅効果をもつ化合物を、東京大学創薬機構の所有する構造既知化合物ライブラリー(21万化合物)から探索し、候補化合物を同定し、今後の構造最適化への基盤とすることを目的とした。
2.プロジェクト・デザイン
初期ハイスルプートスクリーニングでは、細胞外アマスチゴート単独培養系による評価とヒットの選択を行った。その後ヒト細胞に毒性をもつヒットを除外したのち、細胞内アマスチゴート増殖評価系を用いて、初期ヒットの薬効評価を行った。ヒットの物性・構造などを検討し、構造類縁体を含めた化合物を再購入し2つの研究施設での薬効の再評価を行った。
3.プロジェクトの結果及び考察
東京大学創薬機構の構造既知化合物ライブラリー(21万化合物)から、細胞外アマスチゴート単独培養系を用いた初期スクリーニングにより、2µMで50%以上の増殖阻害を示す2,088の候補化合物を獲得した。2種類のヒト培養細胞への毒性を持つ化合物を除外後、再確認実験により、593化合物を選択した。その後マクロファージを用いた細胞内アマスチゴート培養系を用いた薬効評価により、11化合物を選択した。物性・構造、新規性、薬剤としての展開可能性などを考慮し、3種類のヒットに関して88種類の構造類縁体を再購入し、薬効の再確認と構造活性相関を検討した。しかしながら、GHIT/DNDiの判断基準に照らして、今後構造の最適化により薬効の向上を目指すのに充分なヒットは発見されなかった。本プロジェクトの実施により、ドノバンリーシュマニアに対する増殖阻害効果を評価する2つのアッセイ系(細胞外アマスチゴート単独培養系と細胞内アマスチゴート増殖系)での評価の不適合が示され、細胞内アマスチゴート増殖阻害活性をもつ化合物の発見の難しさが確認された。一方で本プロジェクトは、日本で唯一、ドノバンリーシュマニアに対して2種類のアマスチゴート評価系をもつ研究グループと海外のプロダクトデベロップメントパートナー研究拠点との協力な連携を構築するために寄与した。
Investment
プロジェクト
NTDに対する化合物探索プログラム