Investment

プロジェクト

NTDに対する化合物探索プログラム
  • 受領年
    2019
  • 投資金額
    ¥15,000,000
  • 病気
    NTD (Chagas disease / Leishmaniasis)
  • 対象
    Drug
  • 開発段階
    Hit Identification
  • パートナー
    田辺三菱製薬株式会社 ,  Drugs for Neglected Diseases initiative

最終報告書

1. プロジェクトの目的

このプロジェクトは、田辺三菱製薬が保有する構造多様性に富む約5万化合物のスクリーニングから、内臓リーシュマニア症、シャーガス病の原因となるLeishmania donovani および T. cruzi に対して、GHIT 及び DNDi のヒット基準を満たす複数の化合物系統のヒット化合物を取得することを目的とする。

 

2. プロジェクト・デザイン

化合物のスクリーニングは DNDi のパートナーである韓国パスツール研究所で実施した。用量相関試験では、リード相当の条件を満たした化合物について、効果を示さない近縁の誘導体との関連性に焦点を当て、さらに多面的な視点からヒットシリーズに優先順位をつけた。

 

3. プロジェクトの結果及び考察

上述により計14種のヒットシリーズの同定に成功した。3系統は、Leishmania donovani, T. cruzi の両方に活性を示し、残りは、T. cruzi に選択的な活性を示した。

DNDi 及び田辺三菱製薬の協同により、これらヒットシリーズについて、その新規性と殺虫効果、ヒト細胞への安全性、SARの展開性などを評価した結果、3種の優先系統と、6種のバックアップ系統を選定した。また、これらすべての系統から選択した33の代表化合物に関して、LogD、溶解度、膜透過性、マウス肝ミクロソームにおける代謝安定性といったADMET試験によるプロファイリングを行った。さらにLeishmania donovani およびT. cruziの複数の株に対するプロファイリング試験やCYP 51阻害試験も実施した。

これらのヒットシリーズは、DNDi の研究開発パイプラインの中でも構造的新規性があり、かつ GHIT と DNDi の定めたヒット基準を満たしていることから、 Hit‐to‐Leadステージへ成功裏に展開できるものと考える。