プレスリリース

May 20, 2016

グローバルヘルス技術振興基金 日本政府による1.3億ドルの増資発表を歓迎

日本政府によるグローバルヘルス技術振興基金/国連開発計画への拠出により、

世界の人々の命を守るための感染症の新薬を後期臨床開発段階へと進めることが可能に

 

本日、G7に関連した日本政府発表の中で、日本政府がグローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)/国連開発計画(以下、UNDP)のグローバルヘルス・イノベーションプログラムに対し、1.3億ドルの拠出を行うことが発表されました。今回の発表は、世界の人々を苦しめるマラリア、結核、HIV/エイズ、顧みられない熱帯病 (Neglected tropical diseases; NTDs) といった感染症に対する研究開発に向けた日本の揺るぎない支援を象徴するものです。

 

GHIT FundのCEOであるBTスリングスビーは次のように述べています。「日本政府によるGHIT Fund/UNDPへの1.3億ドルの増資の決定を心から歓迎するとともに、GHIT Fundが投資を行う感染症の新薬開発に対する日本政府の変わらぬ支援に感謝します。本日の発表は国際社会における日本の強いリーダーシップを証明するものであり、この分野におけるイノベーションが今日、そして将来的にも重要な優先課題の一つであることが明白になりました。」

 

2013年に官民のパートナーから発足したGHIT Fundは、治療薬、ワクチンおよび診断薬の有望な研究開発ポートフォリオの構築を続け、その取り組みを拡大しています。GHIT Fundでは、これまでに、日本のイノベーションや技術を医薬品開発に活用する60以上のプロジェクトに対し6,000万ドル超の出資を行いました。また、発足からわずか3年でポートフォリオも拡大しています。23の新規スクリーニングプログラムのうち、6つのプログラムが次の開発段階に進んでおり、2つの新薬候補がFirst in Human(FIH)試験に進みました。これに加え、革新的な抗マラリア薬が最近第二相試験で概念実証(Proof of Concept;候補薬剤に期待される開発コンセプトの実証)に至っています。GHIT Fundではまた、複数の新薬候補について、高まん延国を中心に最近7つ目の臨床試験が開始されました。

 

日本政府によるさらなる増資の表明により、GHIT Fundはこのような革新的な取り組みを継続し、世界的な製品開発パートナーシップおよびその展開をさらに拡大することが可能になります。本年日本にて開催されるG7サミットでは、薬剤耐性 (Antimicrobial resistance; AMR) や顧みられない熱帯病などの感染症に対する研究開発等が議論される予定です。これらに関連し、現在GHITのプロジェクトのうち29件は薬剤耐性を解決するためのものであり、投資額ではポートフォリオの半分以上を占めています。増資により、GHIT Fundは マラリア、結核、HIV/エイズ、顧みられない熱帯病/NTDsといった感染症撲滅のため、そして世界が抱えている薬剤耐性問題の解決のためにも、新しい技術による製品開発を一層推進していきます。

 

外務省地球規模課題総括課企画官、国際保健政策室長でGHIT Fundの理事の一人である日下英司氏は次のように述べています。「3年前の設立時に参画以来、GHIT Fundは世界中の多くの人々の生命や健康を守るための革新的な治療薬や技術の開発に向け、日本が誇る最先端の科学技術を結集しめざましい成果をあげてきました。今回の貢献策により、このようなイノベーションの継続的な発展を支援できることに対し大きな意義を感じています。GHIT Fundの開発パイプラインの急速な発展が象徴するように、これらのイノベーションは、より健康な世界を実現するというビジョンの達成に向け、着実に前進しています。」

 

GHIT Fundは、グローバルヘルス分野の製品開発に特化した世界初の官民パートナーシップとして、日本政府、日本の製薬企業7社、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカムトラスト、国連開発計画の共同出資により構成される、唯一の国際的な公益法人です。GHIT Fundは、日本の製薬企業や学術機関、研究機関が一つになり感染症に立ち向かうための日本の強いコミットメントの象徴であり、それらを最も必要とする人々のために新たな治療薬やワクチン、診断薬の開発に取り組んでいます。

 

GHIT Fundの会長を務める黒川清は次のように述べています。「本日の日本政府からの発表は、日本のサミットにおけるリーダーシップを示すものであり、また、GHIT Fundがグローバルパートナーシップの革新的なモデルであることの証明とも言えるでしょう。日本政府からの増資が示されたことにより、目標の増資額の調達に向けて前進しています。」

 

日本政府による増資の方針発表を受け、GHIT Fundでは第二期の活動に向け、民間企業のパートナーやビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカムトラストとも協力を続けてまいります。

 

GHIT Fund に関するお問い合わせ先

グローバルヘルス技術振興基金 佐藤

TEL: 03-6441-2032 FAX:03-6441-2031 Email: press@ghitfund.org

 

本件に関する報道関係者のお問い合わせ先

グローバルヘルス技術振興基金 広報代理 株式会社バーソン・マーステラ 野口

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