プレスリリース

November 12, 2014

感染症の脅威に対するグローバルな連携強化の呼びかけ

本日ロンドンにて、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)と在英日本大使館は、グローバルヘルス分野の権威・専門家を招いてパネルイベント「Closing the Global Health Divide Through Partnership Driven Innovation」 を共同開催し、HIV/AIDS、マラリア、結核、顧みられない熱帯病などの新興・再興感染症に対して世界的な規模で対策を強化し、セクター間を超えてより一層連携や協力が必要であることを訴えました。

 

日本発のグローバルヘルス・イニシアチブであるGHIT Fundは、開発途上国向けの治療薬、ワクチン、診断薬などの製品開発を推進しています。GHIT Fundは国際的な製品開発パートナーシップを促進し、日本のイノベーションを活用した製品開発プロジェクトへの投資を通じて、世界の健康格差の縮小に向けた取り組みを行っています。

 

世界的に拡大する感染症の脅威に対して、今日の製品開発のビジネスモデルには限界があり、市場原理が機能しておらず、刻一刻と変化する状況に対応できていないのが現状です。こうした状況の中、開発途上国の人々のニーズに合わせて、感染症がもたらす脅威に迅速に対処できる製品開発の仕組みや方法を検討しなければならない段階を迎えています。

 

GHIT Fundは、データに基づいた、結果重視の意思決定を行っており、効果的かつ効率的で、画期的な製品開発プロジェクトに対して投資を行っています。こうした投資には、開発途上国における何百万もの人命を救い、健康を大幅に改善する可能性が秘められています。

 

GHIT FundのCEOであるB.T.スリングスビーは「GHIT Fundでは、製品開発プロセスを通じて、厳格な基準と指標を用いて投資案件のインパクトと進捗を測定・評価しています。これにより、製品開発パートナーの成果を定量的に測定・評価することができるだけでなく、結果的には、私たちの取り組みが健康、社会、経済に与える影響を理解することが可能になります。予防、診断、治療を改善させるためには、今後も研究開発に多大な労力を注ぎ込む必要があり、私たちは政府、産業界、アカデミアに対して引き続き感染症との闘いを求めて行きます。」と述べています。

 

GHIT Fundの評議委員の一人、ビル&メリンダ・ゲイツ財団のトレバー・マンデル氏(グローバルヘルスプログラムプレジデント)は次のように語っています。「近年、感染症が再興していることは世界に対する警告と言えるでしょう。こうした問題に対処するためには、新たな可能性や機会に目を向け、解決策を模索することが重要です。高所得国と中所得国、援助国と被援助国との間のパートナーシップを通じて、より多くの知恵・経験を共有することも必要です。ゲイツ財団はGHIT Fundのミッションを全面的に支援しており、パートナーシップや研究資金が必要な世界中の研究者や学術機関に対して、GHIT Fundの公募案件への申請を奨励しています。」

 

世界では、7人に3人がHIV/AIDS、マラリア、結核、顧みられない熱帯病などのいずれかの感染症にかかるリスクに曝されており、7人に1人が実際にこれらの感染症に感染しています。このような状況下にある、顧みられない人々を救うためには、イノベーションを創出しし、製品開発を加速化するための連携や枠組みがより重要になっています。 GHITの理事を務める、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院学長のピーター・ピオット教授は、こうした感染症の脅威に対応するためには、今こそ行動すべきであると世界のリーダーに促しています。「流行間期でも流行期でも、治療薬やワクチンの開発を優先しなければなりません。感染症が発生した際に、密に連携してグローバルにその脅威に対応できるように、平常時から製品開発を推進し、介入試験を行うことができる体制づくりが必要不可欠です。政治的決断と人々の意識、資源、科学を適切に融合させることで、開発途上国に蔓延する多くの感染症について啓発、予防、治療を行い、最終的には制圧することが出来ると考えています。」

 

GHIT Fundの会長である黒川清は「感染症が与える影響は計り知れません。そして今その影響が世界中に拡大しています。国際社会にとっては、これまで積み重ねてきた進歩をさらに加速させる重要な機会であると言えます。感染症との闘いにおいては、常に私たちがその一歩先を行かなければなりません。治療を普及させていくことは、将来に向けて私たちが直面する最も大きな課題の1つですが、GHIT Fundが新たな製品開発に対し、さらに多くの資源を投資できることを誇りに感じています。」と述べています。

 

ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)によって、様々なステークホルダーで構成されるパートナーシップに対する支援が促進され、開発途上国のニーズに結びつける環境が生まれました。ポストMDGsと言われる2015年以降、イノベーションや根本的な解決策を迅速に創出する研究開発に対する支援が、より一層必要不可欠となります。GHIT Fundは諸外国の政府、アカデミア、研究機関とも連携しながら製品開発の取り組みを強化していきます。