イベント

August 11, 2021

【イベント案内】 連続ウェビナー:GHIT Fund - Product Development Partnerships (PDPs)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染症の脅威に対するイノベーションの重要性とその価値の重みを改めて世界に突きつけました。前例のないパンデミックにも関わらず、COVID-19に対する製品開発は驚異的なスピードで進みました。これは、ステークホルダーが危機感を共有し、十分な資源を迅速に投じることができれば、感染症のためのイノベーションを加速し、スケールアップが可能であることを示しました。GHIT Fundは、顧みられない病気の製品開発において、同様の可能性を最大限に引き出すことに注力しています。

 

過去20年間、顧みられない病気のための医療技術(医薬品、ワクチン、診断、ベクターコントロール、デバイス)を開発してきた、国際的な非営利組織のProduct Development Partnerships(PDPs)は、グローバルヘルス領域で極めて重要な役割を果たしてきました。 PDPsは、これまで低中所得国(LMIC)において、85の革新的な救命製品の薬事承認並びに市場に出すことに成功しています。 GHIT Fundは、これらの事業体の独自の能力と強みを認識し、2013年以来、未開発の化学・天然化合物、それぞれの団体が有する技術を利用し、マラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)向けの革新的な製品の作成に専念し、PDPsと日本の事業体間のパートナーシップに投資を行ってきました。この取り組みによって、GHIT Fundのポートフォリオに複数の有望な候補者が含まれ、複数の案件については、今後数年以内にパイプラインから出現する予定です。

 

COVID-19パンデミック下、パンデミック後の顧みられない病気との闘いにおけるR&Dコミュニティーの役割、課題、機会について製品開発に携わる国内外の機関がオープンに議論する機会を作ることを目的として、このたびGHIT Fund-PDPs Webinar Seriesを開催することと致しました。本ウェビナーでは、PDPsと日本のパートナーを招き、PDPsの役割、顧みられない病気に対する革新的なR&Dパートナーシップ、および専門知識、ポートフォリオ、パートナーネットワークを活用した将来の世界的な健康脅威への対応について議論いたします。

 

使用言語:英語(日本語への同時通訳あり)

参加費:無料

後援:一般社団法人日本感染症学会、一般社団法人日本熱帯医学、一般社団法人日本臨床検査薬協会、日本顧みられない熱帯病アライアンス(事務局:長崎大学熱帯医学研究所)、日本寄生虫学会、日本ワクチン学会

 

第1回 「Medicines for Malaria Venture (MMV): Developing Life-Saving Antimalarials Through Global Partnerships」

日時:2021年9月3日(金) 17:00 – 18:30(日本時間)

参加登録:https://zoom.us/webinar/register/WN_SrX8zDY9QTmZ1d0Mf6adRQ

 

プログラム

17:00–17:10:GHIT Fund 鹿角 契による発表:Product Development Partnerships (PDPs)とは

17:10–17:30:MMV ジェームス ダッフィー氏による発表

17:30–17:45:東京大学 野崎 智義氏による発表

17:45–18:00:田辺三菱製薬株式会社 狩野 弘樹氏による発表

18:00–18:20:パネルディスカッション

18:20–18:30:質疑応答

18:30:ウェビナー終了

 

スピーカー

・鹿角 契氏 GHIT Fund 投資戦略 兼 ビジネスディベロップメント シニアディレクター

GHIT Fundの投資戦略、ビジネスディベロップメントを統括。独立行政法人国立国際医療研究センター (前:国立国際医療センター)にて医師として勤務したのち、フルブライト奨学生として米国ジョンズホプキンス大学公衆衛生大学院で公衆衛生修士号(MPH)を取得。その後、米国East West Center、世界銀行勤務(ヘルススペシャリスト)を経て、2013年より現職。東京大学医学部医学科卒業。日本・米国 (ECFMG) 両方の医師資格を有する。東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻生物医化学教室非常勤講師。日米リーダーシッププログラム・フェロー。

 

・ジェームス・ダッフィー氏 MMV 創薬ディレクター

Medicines for Malaria Venture(MMV)の創薬ディレクター。創薬において、21年の経験。MMVでは、より効果的で低価格な抗マラリア薬の製品開発並びに製品供給を通して、マラリア蔓延国で苦しむ世界中の患者さんの健康を改善する活動や業務に取り組んでいる。また大学、バイオテクノロジー企業や製薬企業とのパートナーシップに対して、創薬の専門知識と戦略的リーダーシップのアドバイスや情報提供を担当。マラリア並びに感染症により苦難されている人々のためになる活動に関心。前職では、BioFocus(ケンブリッジ、英国)にて、FDA承認のHDAC inhibitor Belinostatの共同発明者。サセックス大学にて博士号(PhD)を取得。

 

・野崎 智義氏 東京大学大学院医学系研究科 副研究科長、生物医化学 教授

野崎智義博士は現在東京大学大学院医学系研究科 副研究科長、生物医化学 教授であり、日本微生物連盟副理事長である。慶應義塾大学医学部を卒業後、米国NIH、ロックフェラー大学でアメリカ・アフリカトリパノソーマ症の分子寄生虫学分野でポスドクを経験した。帰国後、慶應義塾大学、群馬大学、国立感染症研究所、東京大学にて、主に赤痢アメーバの病原機構と代謝に関する基盤的研究を展開している。主な研究テーマは小胞輸送、貪食、病原性、オルガネラ進化、薬剤耐性などである。また、近年マラリアや顧みられない熱帯病等に対する研究開発を重点的に展開している。現在GHITにより援助される2つのプロジェクト、内臓リーシュマニア症に対するスクリーニング探索プロジェクトとマラリアに対するリード開発プロジェクトを実施している。

 

・狩野 弘樹氏 田辺三菱製薬株式会社 創薬基盤研究所 主任研究員

1996年、東京工業大学 大学院理工学研究科化学専攻修士修了、同年、三菱化学株式会社入社。2007年に、三菱ウェルファーマ社への転籍、および合併により田辺三菱製薬株式会社。SBDD(Structure-Based Drug Design)、FBDD(Fragment-based Drug Design)を含む創薬化学、またはHTS Hit Triageなど経験し、2010年より、スクリーニングライブラリ設計戦略のリーダーを担当。その後、各種、国内製薬におけるライブラリアライアンスも担当。スクリーニングライブラリ設計戦略については、講演、書籍への寄稿などもある。現在は、田辺三菱製薬における MMV共同研究、あるいはDNDi共同研究のプロジェクトリーダー。