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September 15, 2014

【イベント報告】第1回プロポーザル作成セミナー

このたびGHIT Fundは8月2日(土)に東京大学本郷キャンパスにて第一回プロポーザル作成セミナーを開催しました。本セミナーは、今後日本の組織が主導するパートナーシップからより多くのご応募を頂くことを目指し企画されたもので、MSD株式会社の小谷秀仁副社長を講師にお迎えして、プロポーザル作成にあたっての重要なポイントをご解説頂きました。

 

まず冒頭では小谷様よりGHIT Fundの概要と助成状況をご説明頂きました。そして実際にこの1年間外部審査員として関わってこられた中で、日本の研究機関は非常に良い研究アイデアを持っているが、英語でのプロポーザル提出に不慣れな部分もあり、それが原因となって評価があがらないケースがあるという点について言及されました。具体的には、化合物の安全性の検証に関する情報やデータが十分に記載されていない例や、プロジェクトマネジメントや研究開発の独創性についての記載方法に改善の余地がある旨を述べられました。

 

提出される申請書の中には、化合物の安全性の検証に関する記述が不十分な例が見られ、十分なデータとともに明記することが必須であると強調されました。「毒性のない化合物はない」ということにも触れ、創薬を進める上では化合物の安全性の懸念をステージ毎に顕在化させていくことの重要性が強調されました。

 

研究開発のマイルストーンについて明確に設定されていることも重要な評価対象となるため、それぞれのステップで検証すべき化合物の有効性や安全性の選択基準の記載についても触れられました。また、パートナーシップ歴、リスクマネジメント、ガバナンス、予算に関しても、プロジェクトマネジメントの観点から重要な事項であり、プロポーザルの中でも具体的に明記することが必要不可欠であると述べられました。さらに、研究の背景を確認することが出来る参考文献、ガイドライン、過去の研究結果、未発表のデータ、論文等も評価の際の重要な参考資料になることもアドバイスされました。

 

最後にプロポーザル評価のポイントとして「Needs and impact」、 「Science and Technology」、 「Partnership and Project management」という3点をあげられ、ぜひこの点を意識しながらプロポーザルを作成して欲しいということを強調されました。その後行われた質疑応答では、全国からお集まり頂いた参加者の皆様から様々な質問を頂き、GHITのスタッフも交えて白熱したディスカッションが行われました。

 

また、終了後に実施されたアンケートではお集りいただいた皆様から様々なご意見を頂戴いたしました。具体的には「自身の申請書の修正すべき点がわかり、とても有意義だった」、「日本人の申請書において特に不十分な点を強調して説明していただいたので、今後チャレンジを検討しているが非常に参考になった」「実際に審査されている側からの具体的なポイントを教えていただいたので良かった。」などご自身が申請書を書かれる際に非常に参考になるというご意見が多く見受けられました。

 

また、今後の検討事項としては「(本年度よりあたらしく助成金事業に加わった)Hit-to-lead-Platformのプロポーザル例も示してほしい」、「企業と学術機関の出会い議論の場を提供いただけるとありがたい」といったご意見も頂きました。

 

弊基金では頂いたご意見を参考にさせていただきながら、今後もこのようなセミナーを継続的に開催していく予定です。ぜひ皆様のご参加をお待ちしております