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October 27, 2021

【第3回目】 連続ウェビナー:GHIT Fund - Product Development Partnerships (PDPs)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染症の脅威に対するイノベーションの重要性とその価値の重みを改めて世界に突きつけました。前例のないパンデミックにも関わらず、COVID-19に対する製品開発は驚異的なスピードで進みました。これは、ステークホルダーが危機感を共有し、十分な資源を迅速に投じることができれば、感染症のためのイノベーションを加速し、スケールアップが可能であることを示しました。GHIT Fundは、顧みられない病気の製品開発において、同様の可能性を最大限に引き出すことに注力しています。

 

過去20年間、顧みられない病気のための医療技術(医薬品、ワクチン、診断、ベクターコントロール、デバイス)を開発してきた、国際的な非営利組織のProduct Development Partnerships(PDPs)は、グローバルヘルス領域で極めて重要な役割を果たしてきました。 PDPsは、これまで低中所得国(LMIC)において、85の革新的な救命製品の薬事承認並びに市場に出すことに成功しています。 GHIT Fundは、これらの事業体の独自の能力と強みを認識し、2013年以来、未開発の化学・天然化合物、それぞれの団体が有する技術を利用し、マラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)向けの革新的な製品の作成に専念し、PDPsと日本の事業体間のパートナーシップに投資を行ってきました。この取り組みによって、GHIT Fundのポートフォリオに複数の有望な候補者が含まれ、複数の案件については、今後数年以内にパイプラインから出現する予定です。

 

COVID-19パンデミック下、パンデミック後の顧みられない病気との闘いにおけるR&Dコミュニティーの役割、課題、機会について製品開発に携わる国内外の機関がオープンに議論する機会を作ることを目的として、このたびGHIT Fund-PDPs Webinar Seriesを開催することと致しました。本ウェビナーでは、PDPsと日本のパートナーを招き、PDPsの役割、顧みられない病気に対する革新的なR&Dパートナーシップ、および専門知識、ポートフォリオ、パートナーネットワークを活用した将来の世界的な健康脅威への対応について議論いたします。

 

使用言語:英語(日本語への同時通訳あり)

参加費:無料

後援:一般社団法人日本感染症学会、一般社団法人日本熱帯医学会、一般社団法人日本臨床検査薬協会、日本顧みられない熱帯病アライアンス(事務局:長崎大学熱帯医学研究所)、日本寄生虫学会、日本製薬工業協会、日本ワクチン学会

 

第3回 「TB Alliance: Putting partnerships to work for better, faster TB cures」

日時:2021年11月19日(金) 9:00 – 10:30(日本時間)

参加登録:https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_ch5cS86cShyGiSV4Us8Wsw

 

プログラム

9:00 - 9:05 am: オープニング&イントロダクション

9:05 - 9:30 am: TB Alliance 金子 卓史氏による発表

9:30 - 9:45 am: 第一三共RDノバーレ株式会社 田中 一新氏による発表

9:45 - 10:00 am: イリノイ大学 スコット・フランツブラウ氏による発表

10:00 - 10:20 am: パネルディスカッション:パネリストおよびGHITマネジメント・チーム

10:20 - 10:30 am: 質疑応答

10:30 am: ウェビナー終了

 

スピーカー

・金子 卓史氏 TB Alliance シニア リサーチ フェロー

TB AllianceでDiscovery Groupの一員としてTB Allianceと欧米の製薬会社や研究機関との創薬共同研究の総括を担当。また、GHIT Fundに基づく日本の製薬会社や研究機関との創薬共同研究の総括も担当。米国コネチカット州のファイザー社グローバル創薬研究開発所、ブリストル・マイヤーズ社創薬研究所で抗生物質、抗ガン剤、天然物研究の経験を積んだ後、2007年にTB Allianceに入社。現在は新しい作用機構を持ち、薬剤耐性結核菌にも効力を発揮し、また治療期間を現状の六ヶ月から例えば二か月に短縮できるような新薬の開発を追求している。

 

・田中 一新氏 第一三共RDノバーレ株式会社 生物評価研究部 主任研究員

第一三共RDノバーレ株式会社生物評価研究部応用微生物グループの主任研究員。1994年に京都大学理学研究科修士課程を修了。1995年に三共株式会社入社、合併により第一三共株式会社。2011年に第一三共RDノバーレ株式会社へ転籍。天然物からの創薬を加速するために、第一三共グループ内で多くの研究プログラムに携わってきた。製薬会社での天然物研究に25年以上従事。2005年筑波大学にて、博士号(農学)を取得。第一三共RDノバーレとTBアライアンスは、2014年からGHIT Fundが支援する天然物のスクリーニングプログラムとHit-to-Leadプログラムで、共同研究を進めている。彼は、この共同研究に第一三共RDノバーレのリーダーとして関わっている。

 

・スコット・フランツブラウ氏 イリノイ大学シカゴ校 結核研究所 所長、薬学部 アルバート・シャッツ教授

イリノイ大学シカゴ校の結核研究所所長兼、薬学部薬学科のアルバート・シャッツ教授を務める。1982年にアリゾナ大学で微生物学の博士号を取得。久留米大学医学部におけるハンセン病・博士研究員の後、国立ハンセン病センターで薬理学の部長を務める。フィリピンで3つのハンセン病臨床試験を監督後、結核の研究に従事。現在は、特に天然物に重点を置いた抗菌薬の創薬研究と、結核および非結核性抗酸菌、ライム病病原体、ESKAPE病原体を含むその他の細菌感染症のアッセイの開発に焦点を当てている。またハイスループットスクリーニング、in vitroプロファイリング、発酵、天然物の単離、薬物代謝、動物モデルでの有効性、および標的の同定、結合、結晶構造の決定に関する専門知識を有するグループをリードする。TB Allianceとは設立時より緊密な連携を構築しており、世界中の研究者との議論やコラボレーションを通して生まれた300を超える出版物の著者でもある。

 

  

過去に開催したセミナーの動画はGHIT FundのYoutubeチャンネルからご覧頂けます。

 

第1回 「Medicines for Malaria Venture (MMV): Developing Life-Saving Antimalarials Through Global Partnerships」

 

第2回 「Drugs for Neglected Diseases initiative (DNDi): Innovative partnerships for the most neglected」