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受領年2014
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投資金額¥63,694,134病気Malaria対象Drug開発段階Lead Identificationパートナー第一三共株式会社 , Medicines for Malaria Venture (MMV)過去の案件
イントロダクション/背景
このプロジェクトは、マラリア原虫のライフサイクルの各段階に対し、第一三共の約5万の化合物ライブラリーをスクリーニングする事から開始された。化合物ライブラリーは第一三共によりデザインされ合成された高品質かつ多様な性質をもつ化合物群から構成されている。スクリーニングはGHIT Fundによるサポートを受け、豪州Eskitis Institue、米国University of California, San Diego (UCSD)、第一三共及びMMVとの協力により実施された。Plasmodiumに対する選択的な活性等により選択されたヒット化合物は、再合成後に精査されGHIT Hit to Lead Platformのクライテリアを満たすことを確認している。今回のプロジェクトの目的は、これまでに見出された3系統から成るヒット化合物の誘導体展開から、in vivoの薬効を持つリード化合物候補を見出すことである。誘導体展開は第一三共インド(DSIN)が担当し、第一三共(東京)、MMVの専門家に加え、MMVのネットワークから寄生虫学と薬物動態の専門家もこのプロジェクトに参画する。
本プロジェクトによって、グローバルヘルスの課題はどのように解決されますか?
過去10年でマラリアに因る死者数は減少しているが、マラリアは現在でも毎年何億もの人々に影響を与える重要な疾患である。MMVはこれまでの活動からマラリアのコントロールのみならず根絶も考慮した5つの標的候補薬剤プロファイル(TCPs)を確立している。今回の共同プロジェクトは、5つあるTCPsの少なくとも一つを満たすような化合物を見出すことが目的である。TCPsとして次の5つが挙げられる。1)症状を速やかに緩和するためにマラリア原虫を速やかに体内から排除する薬剤、2)治療後の予防効果を長期にもたらすような根治的治療効果を持つ併用薬剤、3)三日熱マラリア原虫と卵形マラリア原虫に感染した患者が再発しないようにする薬剤、4)ガメトサイトを持つ宿主から蚊への感染を防ぐ、伝染防御を狙った薬剤、5)脆弱な患者が再感染するのを防ぐ化学防御剤。
本プロジェクトが革新的である点は何ですか?
マラリアに対する治療薬候補の世界的なパイプラインを考えると、新規薬剤は既存の薬剤候補とは違う特徴を持つことが必要不可欠である。今回の第一三共、MMV及びGHITによる共同プロジェクトは、新しい作用機序により薬剤耐性の問題を解決する化合物を見つけようとする点に革新性がある。また先に示したTCPsを満たす薬剤を優先しており、特に三日熱マラリア原虫と卵形マラリア原虫の休眠体をターゲットにし再発を防ぐ薬剤、また原虫の伝染を阻害する化学防御効果を持つ薬剤も見出したい。今回提示した目標となる化合物プロファイルはMMVのマラリア治療薬ポートフォリオに無い新規のものである。共同プロジェクトを通じ、ヒット化合物の誘導体展開から、しっかりとしたリード化合物最適化研究段階に進むことのできうるリード化合物候補を見つけたい。
他(参考文献、引用文献など)
- MMV Target Candidate profiles:
(Burrows, van Huijsduijnen, Möhrle, Oeuvray, & Wells, 2013)
- Asexual blood stage assay:
(Duffy & Avery, 2012)
- Sexual stage assay:
(Lucantoni & Avery, 2012)
- Liver stage assay:
(Meister et al., 2011)
Investment
プロジェクト
マラリア治療薬に繋がるリード化合物候補の探索研究
完了プロジェクト