Investment

プロジェクト

OZ439と併用する、DHODHを介した新規抗マラリア作用DSM265の試験
Project Completed
 

イントロダクション/背景

抗マラリア薬併用療法には新たな用量決定アプローチの開発が必要です。MMVは、ヒト誘導マラリア感染モデル(HIMIM)における抗マラリア新薬候補の新たな調査研究方法を確立するため、Queensland Institute of Medical Research (QIMR) のJames McCarthy教授と共同研究を行ってきました。抗マラリア薬における原虫減少率、原虫除去までの時間、および最小殺原虫濃度(MPCs)といった抗マラリア作用を示す指標は、適切に管理された環境と併発疾患のない志願者群において推定できます。また再発感染と生殖母体の誘導も観察できます。この状況下で我々は2種類の新規薬物の併用に関する最初の試験を提案します。両薬物は既にHIMIMにおける個別の研究が実施されています。両薬物の併用により、健常被験者およびマラリア感染を誘導した被験者の薬物動態(PK)パラメータに及ぼす影響、および抗原虫作用に関する情報が得られます。本試験において重要な点は、ヒト宿主に併用投与した場合に抗原虫作用が付加的であるか、相乗的であるか、または拮抗するものであるかを確認できることです。この情報は、今後の併用療法の追求(相乗的または付加的作用が現れた場合)、または中止(拮抗作用の場合)の決定に直接影響を与えます。さらに薬物動態/薬力学(pharmacokinetics/pharmacodynamics:PK/PD)解析により、第IIb相治験での両薬物の調査範囲をより精度良く推定できます。

 

DSM265とOZ439は、MMVが開発を進めている単回投与の併用治療における非常に有望な候補薬であり、HIMIMにおけるこれら薬物の組み合わせにより科学的概念が確立され、新規治療の開発を加速させる具体的な情報を得ることができます。

本プロジェクトによって、グローバルヘルスの課題はどのように解決されますか?

本プロジェクトは、合併症のない熱帯熱マラリア治療において、単剤療法に対する薬剤耐性の脅威への対抗、及び治療成績の改善のために併用治療を推奨している現行のWHOガイドライン(WHO 2010)を支持しています。

 

熱帯熱マラリア治療での薬剤耐性の発現を防ぐため、WHOは異なる生化学的経路で原虫に作用する2種類の薬物を併用する治療を推奨しています。これまで、組み合わせる抗マラリア薬の選択、特に用量の決定は経験的に行われており、一般的に正式な用量決定は行われていません。その結果、必ずしも最適な治療が行われていたわけではありません。

本プロジェクトが革新的である点は何ですか?

本プロジェクトの具体的な目的:

- 潜在的な薬物-薬物相互作用評価のための、健常人を対象としたDSM265とOZ439の同時投与に関する試験

- マラリア原虫除去までの時間、原虫減少率(PRR)、および再発までの時間を評価項目としたDSM265とOZ439併用の抗マラリア作用に関する試験

- オーシスト形成を評価項目としたハマダラカの人工吸血法(メンブレンフィーディング法)による伝播阻止作用に関する試験

- DMS265とOZ439併用抗マラリア薬の将来の開発における最適用量を推定するための情報の取得

 

OZ439は現在、MMVが第II相で開発を進めており、MMVの標的候補プロファイル1-TCP1(速やかにマラリア原虫を除去する薬剤)の基準を満たしています。DSM265は第Ib相の段階にあり、現在まで実施された試験で入手した情報から、標的候補薬プロファイル2-TCP2(作用持続時間の長い薬剤)に適合することが示されています。この抗マラリア作用と患者曝露により、両薬剤の併用が単回投与の抗マラリア治療を実現し、患者への一度の投与を直接観察することで、コンプライアンスと利便性が改善すると考えられます。

 

本プロジェクトでは、この併用試験をオーストラリア、クイーンズランドのQIMR Berghofer Medical Research Instituteが実施する1件の臨床試験において行うことを提案しています。

 

パートI:健常志願者8人にDSM265とOZ439を単回投与し、有意な薬物-薬物相互作用がないことを確認します。 

 

パートII:熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)の血中期の抗原投与。Day 0に被験者群の8人それぞれに、熱帯熱マラリア原虫に感染したヒト赤血球(BSPC)最大約1800個を静脈内投与にて接種します。

 

DSM265/OZ439による治療後、被験者を入院させた上で最低48時間の追跡調査を行い、忍容性と臨床反応を確認します。その後、臨床的に良好であれば、外来患者として安全性の確認とPCR法による継続的なマラリア原虫の存在の調査を行います。DSM265/OZ439が原虫血症に及ぼす作用は最大16日間観察されると予測されます。

他(参考文献、引用文献など)

参考文献;

Designing the next generation of medicines for malaria control and eradication

Jeremy N Burrows, Rob Hooft van Huijsduijnen, Jörg J Möhrle, Claude Oeuvray and Timothy NC Wells

Malaria Journal 2013, 12:187  doi:10.1186/1475-2875-12-187