Investment

プロジェクト

先駆的なアンチセンスオリゴヌクレオチドによる長時間作用型マラリア予防薬
  • 受領年
    2020
  • 投資金額
    ¥92,297,284
  • 病気
    Malaria
  • 対象
    Drug
  • 開発段階
    Hit Identification
  • パートナー
    エーザイ株式会社, カリフォルニア大学サンディエゴ校

イントロダクション/背景

イントロダクション

マラリアは低所得国に壊滅的な負担を与え続けており、抗マラリア薬分野において、肝臓期に作用する効果的な新しい予防薬の開発は優先事項です。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)はこのアンメットニーズに合致しており、長時間作用と確立されたコンジュゲーションテクノロジーによる肝細胞への効果的な分布が期待されます。さらに、ASOは、マラリア原虫の必須遺伝子を高い選択性で標的化することを可能にするプラットフォームテクノロジーであり、開発困難とされた創薬標的にアクセスし、初期検証に続く薬剤開発を加速する可能性があります。エーザイは、これらの有用性を強化するための核酸技術開発を行っています。

 

プロジェクトの目的

新規の抗マラリア治療戦略として、ASOを長時間作用型のマラリア予防薬として用いることのin vivoでの創薬概念の検証を目的とした研究を行います。

 

プロジェクト・デザイン

検証済みのマラリア標的遺伝子について適用可能性を精査し、選択された標的に対するASOを、UCSDおよびEisaiの核酸技術とハイスループット細胞培養アッセイを用いて最適化を行います。最適化されたASOは、in vivo予防動物モデルで有効性を評価します。

本プロジェクトによって、グローバルヘルスの課題はどのように解決されますか?

大幅な進歩にもかかわらず、マラリアは低所得国に壊滅的な公衆衛生負担を与え続けており、2018年には2億2,800万人が感染し、40万人以上が死亡しています。新しいマラリア予防薬開発は、低所得者の保護のための優先事項であり、移住者や旅行者、集団発生や流行の際の免疫を持っていない集団、そして特に季節性マラリアの薬剤による予防プログラムをより簡単に実施できるために重要です。いずれの場合も、長時間作用型とし投与頻度を減らすことが望ましく、服用回数を減らすことで物流コストを削減し、予防を確実に行うことが求められます。したがって、抗体を含む、長期間作用する注射可能な薬物は注目されており、MMVは最近、最低でも月1回投与、理想的には3か月ごとの投与基準で、注射用予防薬の実用的なターゲットプロダクトプロファイルを設定しました。(Macintyre et al. 2018)。ASOはこのアンメットニーズに合致していますが、抗マラリア薬としては徹底的に探索されていません。ASOは長期間にわたって標的組織で活性を発揮する可能性があり、臨床データは月1回の投薬をサポートします(Crooke et al. 2019)。確立された肝細胞送達技術であるGalNAcコンジュゲーションを利用して、肝臓シゾントに対してASOを効果的に標的化できると考えられます。ASOは、mRNAレベルで作用することにより、以前は困難であった標的遺伝子にアクセスする機会を提供し、マラリア薬の標的のレパートリーを拡大する可能性を提供します。ヒトとマラリア原虫のゲノム配列は相違が大きいことから、マラリア原虫の必須遺伝子を高い選択性で標的化することが可能です。また、毒性および薬物動態プロファイルがASOの個々の配列よりも化学特性によって決定されることから、標的遺伝子を追加する場合でも迅速な開発が可能となります。さらに、ASOは注射剤としてのTPPに合致する皮下投与において優れたバイオアベイラビリティを示し、凍結乾燥製剤とすることにより保冷環境が不必要となることが期待されます。

本プロジェクトが革新的である点は何ですか?

本プロジェクトではASOをマラリア対策に応用するという革新的な取り組みにより、安全かつ長時間作用型の予防薬を創出することを目指します。この取り組みにより、マラリア治療を変革する可能性を持つ新たなモダリティが追加されます。加えて、ASOが抗マラリア薬の薬効標的を検証するための新たなツールとなることも期待されます。本プロジェクトのメンバーは、最先端の薬効標的に対する生物学専門性と、高度な核酸技術および医薬品開発の専門知識に基づいたスクリーニング機能を結集して、プロジェクトを推進します。

各パートナーの役割と責任

UCSDでは、Winzeler教授の研究室が遺伝子標的を特定し、ASOプロファイリングに使用されるハイスループットの肝期および血液期の細胞培養アッセイを確立します。さらに、Winzeler研究室は動物モデルでの有効性検証を担当します。

エーザイは、独自の核酸技術を用いてASOの設計と最適化を担当します。さらに、エーザイは、ASO候補物のPK研究を担当します。

両チームは、抗マラリア薬の開発経験に基づいて、共同で開発戦略立案、実験計画の実施、データ分析を担います。

他(参考文献、引用文献など)

Crooke S.T., et al. (2019). Nucleic Acid Ther. 29,16–32.

Macintyre F. et al. (2018) Malar J. 17, 402.