Investment

プロジェクト

マラリア治療のための新規マラリア原虫DHODH阻害剤の前臨床開発
  • 受領年
    2018
  • 投資金額
    ¥421,418,717
  • 病気
    Malaria
  • 対象
    Drug
  • 開発段階
    Lead Optimization
  • パートナー
    エーザイ株式会社, ブロード研究所

イントロダクション/背景

イントロダクション

熱帯熱マラリア原虫のジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)は、臨床において検証されたマラリア治療の標的酵素です。我々は、熱帯熱マラリア原虫及び三日熱マラリア原虫のDHODHを阻害し、ヒトオルソログに対して高い選択性を有する新しいアゼチジン化合物シリーズを見出しました。これらの化合物は三日熱マラリア原虫の臨床分離株に幅広く活性を示し、肝臓と血液段階の齧歯類マラリア感染モデル、及び血液段階の熱帯熱マラリア感染モデルにおいて、確実なin vivo効果を示しました。また、良好な溶解性、肝細胞に対するin vitro安定性、安全性プロファイルを示しました。今回提案される研究活動は、マラリア治療のためのアゼチジン化合物シリーズの前臨床開発をサポートします。      

 

プロジェクトの目的

この提案の目的は、Medicines for Malaria Venture (MMV)が求める、単回投与根治および予防法(SERCaP: Single Exposure Radical Cure and Prophylaxis)の要件を満たす臨床試験候補化合物として、強力で安全かつ効果的な低分子の熱帯熱マラリア原虫のDHODH阻害剤を見出すことです。      

 

プロジェクト・デザイン

開発戦略は、MMVがマラリア治療薬として定めた製品プロファイル(TPP: target product profile)を満たす臨床試験候補化合物を得るための、新たなアゼチジン化合物シリーズの薬理活性の最適化及び薬物動態特性、in vivo薬効、安全性を最適化するステップを含みます。我々が提案する計画は、以下のとおりです。1)後期リード化合物として見出したアゼチジン誘導体について構造最適化を完了する、2)非臨床安全性試験用原薬供給のため、後期リード化合物について、合成ルートの最適化と製造管理(CMC)研究を実施する、3)IND申請に向けたGLP試験を実施する臨床試験候補化合物の絞り込みのため、後期リード化合物の薬物動態特性と探索的in vivo非臨床毒性試験を実施する。    

本プロジェクトによって、グローバルヘルスの課題はどのように解決されますか?

マラリアの罹患率と死亡率を減少させるために、薬剤耐性原虫をターゲットとした新しい化学療法が緊急に必要とされています。MMVは、大人と子供の合併症のないマラリア治療のために単回投与根治および予防法(SERCaP)の開発を提案しました。DHODH酵素を標的とした我々のアゼチジン化合物シリーズは、SERCaPを達成するために要求される化合物プロファイル(TCP: target candidate profiles)を満たすことが期待されます。今回の前臨床開発プログラムから得られる候補化合物が、最終的には臨床現場に進み、耐性出現の可能性を減少させるために適した併用薬と併用され、マラリア撲滅に貢献することを期待します。

本プロジェクトが革新的である点は何ですか?

熱帯熱マラリア原虫のDHODHは、臨床において検証されたマラリア治療の新しい標的酵素です。我々の新しいアゼチジン化合物シリーズは、熱帯熱マラリア原虫及び三日熱マラリア原虫のDHODHを阻害し、ヒトオルソログに対して高い選択性を有しています。これらの化合物は三日熱マラリア原虫の臨床分離株に幅広く活性を示し、肝臓と血液段階の齧歯類マラリア感染モデル、及び血液段階の熱帯熱マラリア感染モデルにおいて、確実なin vivo効果を示しました。今回の前臨床開発プログラムから得られる候補化合物が、MMVが提唱する単回投与根治および予防法(SERCaP)の要件を満たし、最終的には、マラリア撲滅のために臨床現場に進むことを期待します。 

各パートナーの役割と責任

ブロード研究は本プロジェクトの指定された開発パートナーです。プロジェクトメンバーはブロード研究所とエーザイから構成され、各々の組織の強みと専門性を活かしながら計画を達成するために密接に連携します。ブロード研究所は選択性と安全性プロファイルを改善した候補化合物を見出すための医薬品化学研究による構造最適化研究を担当します。また、前臨床試験用の原薬合成のための製造ルートの最適化研究やそのスケールアップも担当します。エーザイは、候補化合物選定にかかわる薬物動態と全ての安全性試験を担当します。また、前臨床試験用原薬合成のための製造ルートの最適化やそのスケールアップ、塩結晶形の予試験についても担当します。    

他(参考文献、引用文献など)

Maetani, M.; Kato, N.; Jabor, V. A.; Calil, F. A.; Nonato, M. C.; Scherer, C. A.; Schreiber, S. L. Discovery of antimalarial azetidine-2-carbonitriles that inhibit P. falciparum dihydroorotate dehydrogenase ACS Med. Chem. Lett. 2017, 8, 438-442.