Investment

プロジェクト

リーシュマニア病とシャーガス病治療のためのリード化合物候補探索
Project Completed
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  • 受領年
    2016
  • 投資金額
    ¥78,000,000
  • 病気
    NTD (Chagas disease)
  • 対象
    Drug
  • 開発段階
    Lead Identification
  • パートナー
    第一三共株式会社, Drugs for Neglected Diseases initiative
  • 過去の案件

イントロダクション/背景

イントロダクション

第一三共とDNDiは第一三共でデザインされ合成されたPSL(Pharma Space Library)40,000化合物を用い、シャーガス病とリーシュマニア病に対する化合物のスクリーニングをIPK(Institut Pasteur Korea)で実施した。その結果およそ50の化合物シリーズを見出した。最終的に3つの化合物シリーズと2つのバックアップ化合物シリーズをHit to Lead段階の誘導体展開候補として選択した。

 

プロジェクトの目的

本共同研究の目的はシャーガス病及びリーシュマニア病の治療薬として、DNDiのリード化合物クライテリアを満たすリード候補化合物を1ないし2化合物シリーズ以上見つけ出すことである。

 

プロジェクト・デザイン

第一三共が化合物デザインとその合成を担当し、DNDiが生物学的なアッセイ系の構築及び評価を担当する。この共同研究からリード化合物クライテリアを満たす化合物を見つけ出すのが共同研究の骨格である。

本プロジェクトによって、グローバルヘルスの課題はどのように解決されますか?

リーシュマニア病とシャーガス病に関するHit to Lead段階の研究は成功確率が低い傾向がある。そのため成功確率を高めるためには一定数の新規化合物シリーズを見つけ出すことが必要であり、今回新規化合物シリーズを見つけ出している。あわせてそれらのケモタイプをHit to Lead段階以上の研究開発ステージに進め、DNDiの目標とするプロファイルに沿った前臨床化合物を創製し確実なポートフォリオを確立することにより課題解決に貢献したい。

本プロジェクトが革新的である点は何ですか?

第一三共とDNDiは今回の共同研究提案に盛り込まれた化合物シリーズが新規なものであることを確認している。具体的には、これまでにDNDiが関わったHit to Lead段階及びLead最適化段階の化合物シリーズに加え、リーシュマニア病とシャーガス病の科学文献に含まれていない化合物シリーズを見つけ出した。

各パートナーの役割と責任

第一三共はこの共同研究において、化合物のデザイン及びその合成に責任を負う。加えて第一三共は合成された化合物の物理化学的性質の測定やDMPKの測定の責任も負う。一方、DNDiはin vitroとin vivoの生物学的アッセイを委任先のスクリーニング拠点で実施する事に責任を負う。このHit to Lead段階の共同研究ではIPKをスクリーング拠点としている。

最終報告書

1. プロジェクトの目的

本プロジェクトの目的はDNDiのターゲット製品プロファイル(TPPs)に従って定義された基準を満たす内臓リーシュマニア症やシャーガス病に有効な薬の候補となる新しい化合物を見出すことである。

 

2. プロジェクト・デザイン

スクリーニングから特定した6つの化合物群は有望なリード化合物を得るために様々なデータに基づいて優先順位が付けられた。最も有望な化合物群についてはそのADME特性や薬物動態パラメーターを詳細に調査し、代表化合物はマウス急性モデル試験で有効性を評価した。並行して様々な初期安全性および薬理学評価も実施した。

 

3. プロジェクトの結果及び考察

代表的な化合物のin vitro ADMETプロファイリング、マウスPK評価、およびマウス忍容性試験の結果に基づいてフタラジン系化合物が優先され、さらなる調査のためのリード化合物群の1つとして選定した。この化合物群はTrypanosoma cruziに対する優れたnMレベルのin vitro活性を有し、その活性はCYP51阻害によるものでないことが確認されている。Trypanosoma cruziに急性感染したマウスを用いたシャーガス病モデルにおいて代表化合物のin vivo薬効が確認され、フタラジン系化合物の有効性が実証された。その結果、フタラジン系化合物をDNDiによって定義された基準を満たすシャーガス病に対して有効なリード化合物と認定した。フタラジン系化合物のin vitro活性や物理化学的性質はまだ最適化されていないが、重要な生物学的パラメーター(in vitro阻害活性、選択性、CYP阻害など)と主要な物理化学的特性(溶解性、膜透過性、脂溶性など)は分子の様々な領域の部分構造を変換することで調節することが可能である。プロジェクトは2020年4月にGHIT基金からの新たなサポートを受けて、リード化合物の最適化研究を開始した。この研究プロジェクトではリーシュマニア症の基準を満たすリード化合物を見出すことはできなかった。