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受領年2018
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投資金額¥15,000,000病気Malaria対象Drug開発段階Hit Identificationパートナー東京大学 , Medicines for Malaria Venture (MMV)
最終報告書
1. プロジェクトの目的
熱帯熱マラリア原虫のインビトロ培養において増殖阻害活性を示す化合物を国内アカデミア保有の代表的な構造既知化合物ライブラリー(創薬機構、DDI)に含まれる約21万化合物から探索し、抗マラリア薬開発の次段階のシーズとなる化合物を提示することを目的とする。
2. プロジェクト・デザイン
国内アカデミアの構造既知化合物ライブラリーを対象として、386穴マイクロタイタープレートの増殖阻害活性のハイスループットスクリーニング系を用いて、熱帯熱マラリア薬剤感受性3D7株、耐性Dd2株に増殖阻害活性を示し、DHODHを含めた呼吸鎖の酵素を標的とせず、ヒト細胞に毒性を示さない化合物を選択する。
3. プロジェクトの結果及び考察
創薬機構の保有する約21万化合物の中から3D7に対して2µM以下の50%増殖阻害濃度(IC50)を示し、2µMで酵母DHODHを発現する3D7株を阻害し、薬剤耐性Dd2株を70%以上阻害する化合物を選択した。更に既存の抗マラリア薬の部分構造を有するもの、MMVのデータベースで高い構造類似を示すものを除去後、105化合物を選択した。更に哺乳動物細胞に対する毒性が低い(選択毒性が10以上のもの)82化合物を選択した。これらの化合物はいずれも薬剤感受性・耐性株いずれにも2µM以下のIC50で薬効を示し、マラリアの呼吸鎖を標的とせず、既存の化合物と構造的に異なる化合物で会った。プロジェクト終了に合わせて、物理化学的性質(脂溶性・溶解度)や代謝安定性等のプロファイリングや目視による検証を行い、薬剤化に適当な新規構造をもつ12種類の候補化合物を選定した。これらの化合物は今後、薬効を示す原虫ステージの同定、作用機作の知られている薬剤耐性株に対する試験、吸収・分布・代謝・排出試験、安全性試験等を実施し、構造最適化を計画している。
Investment
プロジェクト
マラリアに対する化合物探索プログラム